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第620回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「選手と主務 二足のわらじで」 馬術部 石川 傑

文/春木花穂(情コミ2) 写真/宮本果林(情コミ3)



部活動を支えるのは選手だけではない。マネジャーや学生スタッフなど、その関わり方はさまざまだ。石川傑(農3=北海道浦河)は馬術部の第一線で選手として活躍しながら、主務としても部を支えている。

元々は兄と共に競馬の騎手を目指していたが、騎手学校入学時に体重を落とし切ることができずに断念。兄は競馬へ、自身は馬術の道へ進むことを決めた。北海道浦河高では本格的なプロの指導を受け、恵まれた練習環境の中で大きく成長を遂げる。高校3年次には茨城で行われた国民体育大会に出場。走行タイムで順位が決まるリレー競技で見事6位に入賞した。

かつては騎手を目指すため「大学進学は考えていなかった」という石川。しかし高校2年次のインターハイで明大馬術部に声を掛けられたことをきっかけに進学を決めた。入学後は2年次に関東学生賞典総合大会で6位と好成績を残す。「大会で成績を残すことを目標に入ったが、まさか主務をやるなんて思っていなかった」。選手として活躍する一方、2年次からは主務としても馬術部を支えることに。主務の仕事は「全員が大会に集中できるように、良くも悪くも表に出ないようにしたい」と選手との両立を決意した。ただ競技をするだけが大学スポーツではない。「馬乗りも主務業も4年間やり切った時にどういう人間であるべきかが見えてくると思う」。大学4年間の多様な経験が選手として、そして人としての彼を作り上げていく。
(いしかわ・たける  農3  北海道浦河  178cm・62kg)