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第623回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「将来の明大を担う次世代エース」卓球部 手塚 崚馬

文・写真/小井土 大裕(情コミ3)



「団体インカレで優勝してグランドスラムを達成したい」。高校時代からその名をとどろかせていた大型ルーキーは大きな目標と共に、明大に進学した。春秋のリーグ戦とインカレの優勝の3冠を達成することを意味するグランドスラム。過去6年間遠ざかるグランドスラム達成は「卓球界の王者」を掲げる明大卓球部にとっても成し遂げなければならない課題だった。

昨年夏、手塚は1年生ながら唯一団体インカレのメンバーに選ばれた。しかし出場機会には恵まれず、チームは決勝戦でフルゲームにもつれる大熱戦となるも敗戦。準優勝に泣き崩れる先輩の背中をベンチで見つめるしかなかった。「試合に出られる実力をつけて活躍したい」。団体インカレを機に固く誓うも、その先は決して平坦な道ではなかった。

その後、インカレ個人戦などの大会が開催されるも望むような結果は得られず。高校時代と比べ大学では伸び悩み、悔しい日々が続いた。それでも「監督や周りのスタッフの方に支えられた」。結果が出ない中でも監督やコーチなど周りの人に支えられ練習をし続けた。「インカレでリベンジできるように」。決してその歩みを止めることはなかった。

そして今年7月、愛知県で団体インカレが開催され手塚もメンバー入りすることに。明大は順調に勝ち進み決勝に進出。決勝の舞台で手塚は優勝を左右する5番手を任された。責任重大な局面にも「自分のできることをやろう」。序盤から攻めの姿勢を崩さず、得点を重ねていき勢いそのままに勝利。チームは悲願の優勝を成し遂げた。「優勝して監督たちに少しは恩を返せた」。大舞台で挙げた大金星で感謝を伝えた。

これで目標となるグランドスラムまであと一つ。秋季リーグ戦ではさらなる成長に期待がかかる。「秋リーグではチームに貢献して全勝で優勝」。次世代の明大を担うべく、目標に向かって突き進む。
(てづか・りょうま 政経2 明徳義塾176cm・63kg)