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法学部が日韓学術交流講演会を開催

ソウル大学の韓寅燮教授 村上大学史資料センター長

法学部と比較法研究所(所長=メンクハウス,ハインリッヒ教授)は5月10日、駿河台キャンパス・グローバルホールで日韓学術交流講演会「金炳魯と明治大学」(後援=明治大学史資料センター)を開催した。

冒頭、上野正雄法学部長があいさつに立ち、「1881年に創立した明治法律学校は、東アジアが激動する20世紀初頭に多くの留学生を受け入れ、その後、母国で大きな足跡を残すような人物を輩出してきた。本日講演いただく金炳魯氏もその1人であり、講演を私自身も楽しみにしている」と述べ、期待を示した。

講演会は、ソウル大学法学大学院の韓寅燮教授による「金炳魯の法律学習と抗日-民衆弁護士としての活動:明治大学、布施辰治弁護士との関係を中心に」と題した講演から開始した。金炳魯氏は、韓国の大法院の初代院長(最高裁判所長官)を約9年間務めた人物で、1913年に明治大学法学部法科、1915年には高等研究科を卒業している。布施辰治氏も明治法律学校出身の弁護士で、朝鮮独立運動に関する事件の弁護などに携わり、日本人として初めて大韓民国建国勲章を受章した人物である。講演では、こうした金氏の人物や業績の紹介とともに、布施氏との関係性や共通点などが解説された。

続いて、大学史資料センター所長の村上一博法学部教授による「明治大学に学んだ朝鮮法律留学生」と題した講演が行われた。韓国からの最初の留学生の受け入れは1896年に行われたことや、金氏をはじめ、法律家や弁護士として活躍した人物が多く明治大学で学んだことなどが紹介された。村上教授は、「今後も相互に交流を重ねながら研究を深めていきたい。そのため、韓国からより多くの留学生を受け入れて、研究者を育成していくことが求められるだろう」と締めくくった。