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ロンドンの地下33メートルの空間で野菜の栽培が行われているというと、多くの人が驚く。元々は第2次大戦時の防空壕だった地下空間を利用して、LED照明による水耕栽培で多くの野菜が栽培されているのである。

1年を通じて18度前後の温度が維持されている地下空間は、光熱費を抑えることができる。そして露地栽培に比べて使用する水の量を70%も節約できるとともに、農薬や肥料の散布も必要ないので、環境にやさしい野菜栽培である。

サステナビリティに強い意識をもった2人の青年が、ベンチャー企業としてスタートした地下農園は、2040年までに食料自給率2倍を目指すイギリス政府にとって大いに期待される存在となっている。

食料自給率の低下は、日本でも大きな問題である。しかし、問題の存在をあえて発想を逆転させれば、「そこにビジネスチャンスあり」ともいえる。起業意識が低いといわれる日本の大学生であるが、問題山積みの日本には多くのビジネスチャンスがあるのではなかろうか。学生たちの明大発ベンチャーに期待したい。