Go Forward

「伝統を次代へ」

このたびは定時代議員総会が開催されますこと、心よりお祝い申し上げます。

本日の定時代議員総会、そして複数の地区の支部総会に参加させていただき、校友の方々と、親交を深めさせていただきました。この場をお借りし、改めて御礼申し上げます。

さて、本学は、本年度春学期開始に合わせて「明治大学活動制限指針レベル」を「0」に引き下げました。キャンパスには活気が戻り、対面での教育・研究活動が行われています。ただし、対面より教育効果が高いと認められたメディア授業については、引き続き積極的に活用しています。

また、おかげさまで、2023年度の私立大学一般選抜入試の志願者数は2年連続10万人を超えました。学内の併願者を含まない実志願者数は約5万2千人(朝日新聞出版のAERA dot.による実志願者数の調査)に上り、私立大学で第一位となるなど、高い評価を受けております。

一方、社会に目を向けると、大学が直面しなければならない重要な課題が山積しています。最も深刻な課題は、少子化です。わが国の15歳未満の子どもは42年連続で減少しています。さらに2022年の日本人出生数は、統計開始以来初めて80万人を下回りました。文部科学省の将来推計によると、現在約64万人の大学入学者数は、約20年後の2040年には約51万人まで減少すると言われています。私は、実際にはこの推計値より減少する可能性が高いと予測しております。

また、急速に進化するChatGPTを含む生成系AIの利用についても、世界的に大きな課題が生じています。これらのAIは、人間に近い文章作成や創造的内容を生成するという点では高いパフォーマンスを示しますが、大学における教育・研究のあり方を一変させる可能性があります。

このような難しい状況の中ではございますが、創立から今日まで、校友の皆さまの手で脈々と受け継がれてきました伝統を確実に次代につなぐべく、建学の精神である「権利自由・独立自治」に基づき、予測困難な時代に横たわるさまざまな難題に対し、自ら「前へ」と切り拓いて解決へ導いていく人材の育成に邁進してまいります。

校友の皆さまにおかれましては、「同心協力」のもと、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただます。