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第637回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「人馬の絆で挑む日本一の頂」馬術部 白石 侑也

文/原田 青空(法2) 写真/春木 花穂(情コミ3)



明大には46の体育会部活動がある。その中で唯一動物と共に大会に挑む馬術部。馬は選手の手足の動きや体重のかけ方の指示に従って動く。人馬の信頼関係が必要不可欠であることが馬術競技の大きな魅力だ。今年度主将を務める白石のパートナーはカルロッタM。ドイツからやって来た栗毛の牝馬だ。「最初はかわいい馬が来たなという感じ。それは今も変わっていないです」。と白石は語る。パートナーを組み始めて1年が過ぎた2年次の関東学生三大大会(以下、関学)。「一番印象に残っている」と、この大会は白石に苦々しい思い出を残した。試合前の準備運動でロープを離してしまい、カルロッタMが放馬。競技直前にけがを負わせることとなり、大会への棄権を余儀なくされた。「思い通りにならない、自分が扱い切れていない」。馬術という動物を扱う競技だからこその難しさと厳しさを改めて痛感するアクシデントだった。

白石とカルロッタMが出場するのは総合馬術。馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目で競う競技だ。1つの種目を落とすとその時点で失格となるため、人馬共に体力と精神力が求められる。今年度の関学ではクロスカントリーで出場者1位のタイムを出したものの「いつもと同じミスをしてしまった」。結果はあと一歩届かず、準優勝で大会を終えた。それでも、明大の絶対的エースとして「(白石への)期待度は非常に高い。順当にいけば彼が個人タイトルを取るだろう」(佐藤五志監督)。大学最後の大会となる全日本学生三大大会に向け、監督からの期待も大きい。

「いろいろ経験を重ねてきて、馬のことはだいぶ分かってきた」。大学4年間をかけて築いてきた絆を全日本制覇という最高の形で示すために。人馬一体となって、大学王者への道を駆け上がる。
(しらいし・ゆうや 商4 江戸崎総合 170cm・50㎏)