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「学長室4年間の取り組み」

学長室専門員長 浜本 牧子

大六野耕作学長の下で、学長政策の実現に向けて学長室で取り組んできたプロジェクト活動について振り返りたい。

学長室ではグランドデザイン2030達成に向けて、①メディア授業の推進、②授業時間数削減、③国際化の加速・推進、④付属校の設置・指定校の拡充、⑤クロスアポイントメント制度の導入、⑥学内会議の効率化と各種申請システムの簡素化、⑦教育研究事業活性化、⑧重点的研究支援体制の構築を学長方針「重点戦略」として掲げ、政策課題毎にプロジェクトを設置し、学長任期中の計画策定・政策推進を図ってきた。

学長就任初年度、プロジェクトの始動に当たり、各プロジェクトの目的と目標について、大六野学長および上野正雄学長室専門員長(当時)からの説明の後、質疑応答が行われ、学長スタッフ全員が一丸となって取り組む目的意識の共有が図られた。各プロジェクトはスピード感のある意思決定と多様性の観点から学長室専門員と副学長4〜6人で構成され、プロジェクト毎に学長室専門員が座長となって定期的にミーティングを開催し、大六野学長任期の中で年度毎の計画を策定した上でそれぞれの政策課題に取り組んだ。各プロジェクトの進捗状況は、通常の学長スタッフ会議での報告とともに、秋季と春季の年2回開催される学長スタッフ研修会でも検討を行って進めた。紙面の都合上、2つのプロジェクトについて概要を紹介したい。

より柔軟かつ質の高い教育を提供することを目的とした「①メディア授業の推進」プロジェクトでは、感染症対策として急遽整備されたオンライン授業のノウハウの活用、メディア授業に関するガイドラインや規程の策定、新しい教育モデル事例「明治大学オンライン+ (plus) ACT-MEIJIROモデル」の公開を行った。さらに、メディア授業と対面授業の効果的組み合わせに関する方針を取りまとめた。時間や場所に縛られない柔軟な学びの環境の提供を可能とし、また、非常時に備えた大学のレジリエンス強化にもつながる教育の提供に資する取り組みとなった。

教員の研究時間確保を目的とした「⑥学内会議の効率化と各種申請システムの簡素化」プロジェクトでは、関係部署等へのアンケート結果に基づき、オンライン会議とメール審議の利点やその活用方法、対面会議とのバランス等について、「学内会議の効率化に向けた提言書」として取りまとめ公表した。さらに、オンライン会議の活用状況と資料のペーパーレス化に関するアンケートから、本取り組みが奏功し、両者とも定着していると思われる状況が確認できた。

この4年間の学長室の取り組みがグランドデザイン2030達成に貢献する取り組みとなることを願っている。(農学部教授)