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付属明治高等学校で能楽師大槻裕一氏による特別授業

授業は明治高校の作法室で行われた(左奥が大槻氏)

付属明治高等学校は、2023年11月20日~22日、2年生「古典」の授業で観世流シテ方能楽師の大槻裕一氏による特別授業「能楽における古典文学」を行った。能初心者の生徒が親しんで学べるよう、授業は1クラスずつ作法室にて実施された。

大槻氏は、「能とは室町ミュージカルという呼び名もある世界最古の演劇。人気アニメや漫画が映画化されるのと同じように、室町時代に流行していた『源氏物語』や『平家物語』を舞台化して演じられた」と解説すると、生徒たちは身近な例や、授業で扱われている古典文学が交錯する説明に聞き入っている様子だった。

続いて、謡(声に節をつける能独特の謡い方)や舞の披露と、小道具、装束を近くで見る体験が行われた。結婚式でよく歌われる「高砂や」の披露では、心地よく響き渡る大槻氏の歌声に生徒から大きな拍手が湧き起こった。扇子を弓矢に見立てた振りや、面が紹介された他、代表生徒による能装束の着用体験なども行われ、能の魅力を存分に感じ取る意義深い機会となった。

授業を終えた大槻氏は「1クラスずつ授業を行い、生の声で伝えられたことが良かった。生徒の集中力を感じた」と振り返り、「今すぐに能を見に行くというのは難しいかもしれないが、能でしか味わえない優雅な時間を一度は経験していただきたい」と語った。

1月には大槻氏による2回目の授業が予定されている。授業を担当する松井萌々子教諭は「生徒たちが能の味わい深さに触れ、伝統芸能や日本文化の価値継承につながれば」と期待を寄せる。