Go Forward

徐々に暖かい春を感じ、プロ野球が開幕する時節となった。チームでは、開幕戦のグラウンドに臨む直前、選手スタッフ全員で互いに固い握手を交わす。それぞれ「優勝目指そう」「飛躍のシーズンに」「けがするな」など熱い思いが込められ、この瞬間にチーム一丸で闘っていく情熱が全身を駆け巡る。

球界では握手が日常的にコミュニケーションの柱になっていた。駿河台からほど近い東京ドームでの試合の折に、旧知で校友の故・星野仙一さんを訪ねると、気さくに握手をしながら監督室や選手食堂に招き入れてくれたのは懐かしい思い出だ。

日本の一般的なあいさつは握手よりもお辞儀であるが、グローバルな視点で見ると、握手は世界共通のコミュニケーションツールだ。親愛の情を表し、信頼を高めるだけでなく、握手に幅広い意味を持たせ会話することもできる。

今月、また明大から約8000人の卒業生が新たなフィールドへ旅立つ。校友が各自のポジションで活躍することは教育成果の一つであり、それが母校明大のブランドを高めることにもつながる。「握手」をしている気持ちで、卒業生たちのこれからの人生に熱いエールを送りたい。