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第642回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「最高の舞台で有終の美を」 硬式庭球部 大沼 愛弥

文/髙橋 未羽(政経1) 写真/渡辺 悠志郎(情コミ3)



父の影響で3歳の頃からテニスを始めた大沼。「テニスをさせてくれた両親へ結果で恩返しがしたい」という気持ちから、全国屈指の強豪校である野田学園高に進学を決めた。しかし、体調を崩したこともあり勝利をつかめず、苦しい選手生活が続いた。そんな中で迎えた高校2年次の新人戦。全国選抜高校大会の出場順が決まる重要な試合で、高校の同期を相手に勝利を収め、決勝まで駒を進める。迎えた決勝は、当時からのチームメートである鈴木渚左(国日3=野田学園)に惜しくも敗れたが、この大会が転機となり明大の門をたたいた。

1年次春に行われた関東学生トーナメントでは、予選から勝ち上がり、本戦で1勝を手にした。その後も着々と成長を遂げ、2年次には全日本学生室内選手権へ出場。この大会は大沼にとって個人戦で初の全国大会となった。本戦では1回戦敗退となったが「人生の中で一番大きく残せた結果」と振り返る。

チームの主軸としての活躍が期待された今年度、思わぬアクシデントが大沼を襲った。7月の対抗戦で足をひねり、靭帯を痛めてしまう。そのため全日本選手権、関東大学リーグ戦ともに出場を断念。もう一度テニスに戻るのが嫌になった時期もあった。それでも心の奥に諦めてはいけないという気持ちと、支えてくれる人がいることで、もう少し頑張ろうと思えた。復帰戦となった関東学生選手権では、本戦1回戦で勝利を収め、復活の兆しが見られた。これから迎えるのは、最高学年としての最後の競技シーズン。全日本選手権の舞台でベスト16以上の結果を残すことを目標として掲げ、着実に歩み進める。
(おおぬま・あや 文3 野田学園 162cm)