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プレスリリース

~感染リスクなく味を共有できる技術へ~ 「任意の味を表現できる味ディスプレイ」を 総合数理学部 宮下芳明教授が開発

2020年04月30日
明治大学

~感染リスクなく味を共有できる技術へ~
「任意の味を表現できる味ディスプレイ」を
総合数理学部 宮下芳明教授が開発

明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授は、任意の味を表現できる味ディスプレイを開発しました。基本五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を感じさせる電解質をそれぞれ溶かして固めた5つのゲルを舌に触れさせます。これらに電気をかけることで、ゲル内部にあるイオンを泳動させ、それぞれのイオンが舌に触れる量を制御することができます。これにより、舌が感じる基本五味の割合を自由に調整することができます(特許出願中)。本技術は、人や飲食物の移動を伴うことなく味の情報のみを伝達するシステムであるため、感染リスクなく味を共有するなど、今後の応用が期待されます。

宮下研究室は、舌を電気的に刺激することで味を生み出す「電気味覚」の研究を推進しており、噛む力で発電して味を作り出すガム[1]や、飲み物の後味を電気刺激で強く長くする手法[2]を開発してきました。それによって健康な食事を化学物質なしで満足な美味しさに変えるプロジェクト[3]も推進していますが、この味ディスプレイは舌への電気刺激を利用しておらず、また、食事の味を変えることではなく、遠隔地にも味を伝え再現することを目的としています。
試作した味ディスプレイのプロトタイプ「Norimaki Synthesizer」に関する論文は下記で公開されました。宮下教授はこの論文に記載されている知見よりもさらに、味の再現性を高め、表現力を向上させる手法について研究を続けています。
Homei Miyashita. 2020. Norimaki Synthesizer: Taste Display Using Ion Electrophoresis in Five Gels. In Extended Abstracts of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems Extended Abstracts (CHI'20). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 1–6.  https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3334480.3382984
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