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国際浅草学における 「江戸から東京への連続性」と新東京タワーの非連続性

 プロジェクトメンバーの山下洋史(商学部・教授)の『国際浅草学における「江戸から東京への連続性」と新東京タワーの非連続性』が,明大商学論叢Vol.91,No.1に掲載されました。こちらはその概要です。
国際浅草学における「江戸から東京への連続性」と新東京タワーの非連続性”(概要)
 本研究は,「下町における江戸から東京への連続性」が,新東京タワーの建設により,押上・業平橋地区,さらにはそれに隣接する浅草地区や両国・錦糸町地区においてどのように変化していくかについて検討するものである。これは,新東京タワー建設がこれらの地域において非連続的な変化をもたらすのではないかという考え方を意味する。
そこで,まず浅草の観光と明治大学「国際浅草学」プロジェクトの活動を紹介し,押上・業平橋地区と両国・錦糸町地区の現状を概観する。次に,浅草における「江戸から東京への連続性」を論じた筆者らの先行研究の議論を整理し, 「江戸から東京」のカタストロフィー・モデルを紹介する。さらに,この先行研究を基礎に,新東京タワー建設により墨田区の押上・業平橋地区および両国・錦糸町地区において予想される変化について検討し,その際の「非連続性」を示唆する。最後に,上記「国際浅草学」プロジェクトとしての立場から,新東京タワーが浅草に与える相乗効果(シナジー),および隅田川を挟んで接する墨田と台東両区のコラボレーションにより新東京タワーと浅草という互いの観光資源を活かし,観光客にとって魅力的な地域をデザインすべきことを指摘し,本稿の議論をまとめている。

明大商学論叢 Vol.91,No.1,pp.247-256,2009年2月