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浅草における江戸から東京への連続性

プロジェクトメンバーの金子勝一(山梨学院大学・教授)と山下洋史(商学部・教授)の「浅草における江戸から東京への連続性」が,第40回日本経営システム学会全国大会講演論文集に掲載されました。こちらはその概要です。
「浅草における江戸から東京への連続性」(概要)
本研究では,まず交通面から見た浅草の地理的位置づけを概観し,次に浅草の持つ光と陰(正の側面と負の側面)を整理している。その上で,東京における多くの地域,とりわけ山の手が江戸を破棄することにより発展してきたのに対して,浅草では有形・無形の両面で江戸の文化を残しながら徐々に東京の一地域としての近代化が進んできたことを指摘し,こうした流れを視覚的に記述すべく「江戸から東京」のカタストロフィー・モデルを提案している。これにより,江戸から現在の東京に至るプロセスにおける,山の手の「非連続性」と浅草の「連続性」を示唆するとともに,江戸時代の浅草と現在の浅草との近代的発展性の差異は小さいが,江戸時代の山の手と現在の山の手との差異は非常に大きいこと,および山の手では明治維新直後は発展(都市化)が遅れたが,浅草では明治維新直後から発展(都市化)したことに対して,カタストロフィー・モデルの「非対称性」と「遅れの規約」からアプローチするという新たな研究視座を提示している。

第40回 日本経営システム学会全国大会講演論文集 pp.56-59,2008年6月