沿革 |
「明治大学八十年史」編纂計画と歴史編纂資料室の設置 |
本センターの設置は校史編纂事業と密接に関係している。第二次大戦後最初に本格的な校史編纂が企図されたのは、1961(昭和36)年の本学創立80周年を期した『明治大学八十年史』の刊行の際であった。結局その実施は見送られるものの、1962(昭和37)年、広報課に一係としての歴史編纂資料室が設置された。同室は将来の本格的な校史編纂に向けて、大学史資料の調査、収集・整理、保存の任にあたることとなった。これが本センター事務室の前身組織である。同室は明治大学史関係資料・研究の蓄積に努め、資料集『歴史編纂報告集』(1967年に第1号が刊行。同書はのちに『歴史編纂事務室報告集』『大学史資料センター事務室報告集』と改題・拡充)を刊行するに至った。
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1977(昭和52)年、本学の創立100周年にあたって『明治大学百年史』の編纂が計画された。100周年記念行事委員会の一つである歴史編纂委員会の決定により、翌78年、歴史編纂専門委員会が設置された。同専門委員会は、歴史編纂資料室と連携して本格的な『明治大学百年史』編纂に向けた作業を開始する。その成果として『図録明治大学百年』(1980年11月)、大学史編纂過程の研究成果を発表する『明治大学史紀要』(1981年3月第1号刊行。97年に『大学史紀要 紫紺の歴程』と改題)等が刊行された。
1985(昭和60)年、明治大学創立百周年事業の終了にともない、『明治大学百年史』の編纂事業は、歴史編纂専門委員会から百年史編纂委員会に引き継がれた。翌86年には事務機構改組が実施され、歴史編纂資料室は廃止となり、その代わり、一課として総務部歴史編纂事務室が設置された。
編纂事業は以降も継続され、1994(平成6)年10月、『明治大学百年史』は通史編Uを刊行して完結した(全4巻)。
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1995(平成7)年4月、百年史編纂委員会に代わって置かれた大学史料委員会は、今後も継続される大学史関係資料の調査・収集・保存事業とともに、校史編纂事業で収集された資料や情報の活用方法を検討した。その結果、大学史資料を広く内外に供するために、それらの業務総体を取り扱う組織設置の必要があるとの認識を打ち出した。以後、その組織設置に向けた働きかけが続けられる。またその一環として歴史編纂事務室主幹による各種展示会が実施された。百年史刊行記念「明治大学の歴史展」(1993年10月)、さよなら記念館「明治大学記念館歴史展」(95年11月)、リバティタワー竣工記念「明治大学歴史展」(98年11月)、創立120周年・創立者生誕150年記念「建学の精神とその歴史」展(01年11月)等の特別企画展は収集した大学史資料の活用を目指した試みとなった。これと同時に、調査研究活動を継続して実施していった。
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センター設置に向けたこれらの動きを経て、2000(平成12)年には駿河台B地区に建設予定校舎内に、大学史展示室が設置される運びとなった。それと同時にセンター化に向けた組織づくりの検討がおこなわれた。2002年11月、理事会において明治大学史資料センター規程が承認され、翌2003年4月1日、大学史資料センターが発足した。センター設置にともない大学史料委員会は廃止され、新たに大学史資料センター運営委員会が設置された。事務局である歴史編纂事務室も廃止となり、事務業務は新設の大学史資料センター事務室に移管された。
こうした組織改変とともに施設面でも充実が図られ、2004(平成16)年3月には、駿河台アカデミーコモン地下1階に常設の大学史展示室がオープンした。
ソフト・ハード両面の整備を実施したセンターは、今後も資料収集・調査研究・情報発信基地として多彩な事業にあたっていくこととなった。
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