自動運転社会に対する期待は日に日に大きくなっています。一方では、事故を起こした際には誰が責任を負うのか、保険制度はどのように変わるのかなど、社会的難問が未解決であることも明らかになりました。
明治大学はこのような観点からいち早く模擬裁判を行い、大きな注目を集めました。自動運転社会の法制度や社会システムのあるべき姿のみならず、必要とされる産業技術なども、模擬裁判を通じて深く理解することができるのです。
本シンポジウムでは、文理融合の代表格である自動運転社会(AI社会)を取り上げ、来場者とともにその新鮮な世界を探訪します。
2018年12月14日(金)13:00~17:45
明治大学 駿河台キャンパス アカデミーコモン3階 アカデミーホール
以下のリンクからお申し込みください(入場無料)
13:00~13:10 挨拶 |
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土屋 恵一郎(明治大学長) |
13:15~16:00 第1部 フロントランナーが語る自動運転社会 |
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16:10~17:40 第2部 自動運転の光と影 |
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17:45 閉会 |
自動運転の実証実験を実施する中で、自動運転の実現には社会システムの変革も必要と感じるし、実現したらおのずと社会システムも変わります。それにつれて新たな産業も生じます。これらについて考察します。
わが国の損害保険市場では、自動車保険と自賠責保険を合計すると約6割のシェアを占め、自動車保険には事故歴を反映させる独自の等級別料率制度が導入されています。このような市場への自動運転技術導入がもたらす変化について考察します。この際、諸外国の事例や、サイバーリスク等の新たなリスクにも言及します。
完全自動運転に至る前の部分的/条件付き自動運転においては、人間中心設計を怠ると新たな事故のリスクが発生します。SIP自動走行ヒューマンファクター研究において取り組んでいる、ドライバーがシステムと正しく協調するための、人の能力の理解や能力を高めるヒューマン・マシン・インターフェースの研究について紹介します。
「数理科学する明治大学」は自動運転にまで波及しました。ブランディング事業で進めているテーマの一つに「機械学習による快適介護空間」があります。ここで活用される機械学習は自動運転においても重要な要素であり、双方の研究により機械学習のさらなる展開が得られることなどを述べます。
衝突特性、乗り心地、操縦安定性などに加えて、機械学習、画像が加わり自動運転車に関わる数理科学もより広くより深くなっています。レベル3では自動車自身の状況判断力、レベル4、5では乗り心地が重要となります。これらの数理科学として従来と異なる機械学習、最適制御が必要になることを述べます。
機械学習システムを搭載した自動走行車の緊急回避問題を取り上げます。自動運転車と手動運転車の混在する交通下で、対向車線の渋滞中に車の陰から飛び出してきた自転車を避けるため、緊急回避の行動をとった自動運転車の事故シーンを想定した模擬裁判を紹介し、次のパネル討論のベースを提供します。
e-mail: math_everywhere@meiji.ac.jp
Tel: 03-5343-8067(平日の9時~17時まで)