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辛いものが苦手な少年がいたとしよう。彼は、周りの人々が「カレーがおいしいよ」と言うので素直に一生カレーばかり食べ続けた。そんな彼が年老いて死ぬ前に、「別にカレーは好きじゃなかったな」と思ったとしたら、あなたは彼を馬鹿だと思うだろうか。
では、小さなパン屋を開くのが夢だという少年がいたとしよう。彼は、親や教師が「いい大学に行き、有名企業に入れ」と言うので素直にそれに従った。入社後は会社や上司が「いい成績をとれ」と言うので一生懸命働いた。彼は世界的に有名なビジネスマンになり、多くの人に称えられるようになった。そんな彼が年老いて死ぬ前に、「なんだか幸せな人生ではなかった気がする」と思ったとしたら、あなたは彼を馬鹿だと思うだろうか。
他人の価値観に従って生きたのに幸せにはなれなかった…。そんな彼らを一概に馬鹿だと批判することは難しい。周りが決めた幸せというのは正しそうに聞こえるし、重要なことを他人に決めてもらえる安堵感や人に褒められる喜びに抵抗するのは、かなりの自信と勇気が必要なことなのだ。「自分の市場価値を上げたい」という社会人がかなり多いのも、お金という他人にわかりやすい指標で評価してもらうと「自分には価値がある」と安心できるからだろう。
しかし、人によって同じ食べ物の味をどう感じるかが他人と絶対に違うのと同様に、最終的にはどんな人生が幸せかは絶対に自分にしかわからない。だから、幸せな仕事をするためには、自分が選ぶ仕事の価値を自分で評価し、人生を自らコントロールすることが大切だと思う。
では、小さなパン屋になりたかった少年は、どうすればよかったのだろうか。単純に、周りに何を言われようと胸を張ってパン屋を開き、「お金」の代わりに、「焼きたてのパンを受け取って喜ぶお客さんの笑顔」で自分を評価すればよかったのではないか。
あなただけが、あなたを幸せにできる。そして、あなたのあなたらしさは、あなたが想像するよりもっと、ずっと、ものすごーく、素晴らしいものなのだ。だから、「他人の決める幸せ」という誘惑から自立して、自分の「個」を信じて歩んでいく勇気を育てていこう。
古賀 洋吉(こが・ようきち)
2000年政治経済学部卒。オレゴン大学交換留学生。明大在学時は明治大学ホームページ作成、「Oh-o! Meiji」システムの開発、 ネットビジネス立ち上げに参画。卒業後はアクセンチュア(株)戦略グループのコンサルタントとして、大手企業の全社戦略・新規事業戦略の立案を担当。2006年よりハーバード・ビジネス・スクールのMBA(経営大学院)に在学中。 |
M-style No.013(2007年9月20日発行)『Message from Harvard 5』より
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古賀洋吉さん
(2000年政治経済学部卒)
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