ここ何年か、私にはちょっと気になっていることがあります。それは、課外活動について新入生の皆さんと話をする時に、「この部活動に参加すると就職に有利だと聞いたのですが」「就職の時に活動内容をアピールできるサークルに入りたいと思うのですが」といった声をよく耳にするようになったことです。卒論や修論のテーマでも、就職活動の面接でアピールしやすい内容のものを選びたいという人がいます。高校時代に大学を目指して勉強したように、大学時代は就職に向けて頑張ろうということなのかなと思います。
明確な目標があり、それに向けて早くから準備するのは良いことだと思います。ただ、せっかく大きな自由を手にしている大学時代なのですから、おもしろいと思うこと、やりたいと思うことも存分にやってほしいと思うのです。何歳になっても、ワクワクしながら何かに取り組んでいる時に、私たちは大きく成長するのだと思います。
さらに言えば、いろいろなことを「面白がる」気持ちも養ってほしい。他人はどう思うか分からないけれど、自分にはこんなことが面白いんだと気づくこと。やらなくてはならないことの中にちょっとしたことでも面白さを見つけて楽しむこと。さらに、すぐに役に立つかどうかはさておき、面白そうなことを調べたり、首を突っ込んでやってみたりという体験もしてほしいのです。「面白がる」という感覚は、自然と身に付いてくる人もいますが、一度体得した経験がないとなかなかピンと来ないものかも知れません。
生き生きと働く社会のキーパーソンのインタビューや本を読むと気づかされるのは、こうした人の多くが面白がる気持ちを持って仕事をしているということです。将来、社会に出た皆さんの毎日を充実させるのは、この「面白がる気持ち」なのではないかと思うのです。

蓮の花
M-style No.044(2011年7月10日発行)『相談室の窓から』より
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