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「アフリカ」研究プロジェクト

プロジェクトの趣旨

2005~2007年 アフリカ大陸は、見捨てられた大陸である。現在、アフリカ大陸では年間約500万人もの人々がエイズ(HIV感染)によって死亡している。なかでも国連開発委員会が規定した後発発展途上国(LDC)50カ国は、サハラ以南のアフリカ(SSACs)47ヵ国のうち34ヵ国に密集している。 SSACsが世界貿易に占める割合は0.3%(2004年度)にしか過ぎない。エイズに加えて信じがたいまでの経済的貧困、内戦等、数多くの問題を抱えている。だが、新聞もテレビも彼岸のことでもあるかのように一切、報道しない。特にわが国では、アフリカで生起している惨事に関心を持つ研究者は少なく、明治大学にもアフリカに関する講座はない。 本プロジェクトは、エイズの拡延に象徴されるアフリカ大陸が抱えている問題を経済問題(開発政策、対外累積債務問題、一次産品経済構造)に焦点を当てて研究し、問題解決への糸口を模索する。当面は、地域ごとの研究プロジェクトを組織し、世界経済に包摂されているアフリカ大陸の経済構造を分析する。なかでも1980年以降、SSACsが取組んできた構造調整政策の推移と帰結を析出する。構造調整政策とは、IMF・世界銀行主導の下で着手された貧困削減政策であり、何よりも経済の民営化と自由貿易システムの実現を求め、国家による経済への非介入を求める政策である。 研究を進めるに当たり、アフリカから研究者を招聘し、プロジェクトのメンバーによる現地調査も行う。すでに2005年4月~6月には、明治大学国際交流センターの支援を受けてアンタナナリボ国立大学(マダガスカル)からラミアリソン・エメ教授を招聘して共同研究を行った。 本プロジェクトは、国内の研究機関とも連携し、共同研究プロジェクトを立ち上げる。

主要メンバー

<代表者名>
<研究統括責任者>
福田 邦夫(明治大学商学部教授)
吉田 敦(明治大学軍縮平和研究所ポスト・ドクトラル研究員)
佐久 間寛(東京外語大学大学院博士課程)
ラミアリソン・エメ(アンタナナリボ大学経済学部教授)
勝俣 誠:明治学院大学教授(明治学院大学国際平和研究所所長)
(2005年5月20日現在)

論文、研究テーマ(2005.7.7.現在)

  1. アフリカにおける経済開発
  2. アフリカにおける構造調整プログラム
  3. グローバリゼィションの中のアフリカ
  4. アフリカの農村構造
  5. 一次産品経済
  6. 対外累積債務問題
  7. 地域紛争
  8. LDC諸国をめぐる問題

アクション・プログラム

  1. 2005年6月9日:共同研究員ラミアリソン・エメ氏の講演会。「アフリカ:グローバリゼィションへの挑戦」-明治大学アフリカ文庫主催-
  2. アフリカの農村調査(2006年9~10月予定)
  3. 定期的に研究会を開催する。
  4. 研究成果を「軍縮地球市民」に掲載する他、研究シリーズとして出版する。
  5. アンタナナリボ大学国際経済研究所と提携してアフリカ研究ネットワークを構築する。
  6. 国内の研究機関・大学と提携してアフリカに関するセミナーを開催する。
(文責:福田邦夫/2005年7月)