Go Forward

「東アジアの地域協力」研究プロジェクト

プロジェクトの趣旨および進行予定

本プロジェクトは、現在進められている東アジアの地域協力について、歴史、政治、経済、および社会的な観点からアプローチし、21世紀における東アジア社会の共生について展望と問題提起を行う意欲的な研究プロジェクトである。

東アジアの地域協力は、とりわけ1990年代後半以降になって具体的に進められつつあるが、その10年ほどの期間にも内外の情勢変化があり、地域協力の体系自体もつねに問われ続けている。新世紀を迎えたこのグローバル化の時代に、東アジア社会の共生を実現する真の地域協力体系作りに貢献することが、我々にとっての最終的な目標であり、最大の課題である。現在のところ、世界の他の主要地域と比べて、東アジアでの地域協力に向けた動きは遅れているとも言われている。その所以は、時間的なこと、質的なことなど様々であるが、それらは決して克服できないものではないであろう。また、本プロジェクトでは、東アジア全体の地域協力に加えて、サブ・リージョナルな問題や地域協力も研究対象としている。東アジアには、現段階ですでに構築済み、あるいは構想中のサブ・リージョナルな地域協力体系がいくつか存在する。東アジア全体としての地域協力を考える際に、それらは時に柱となり、手本となり、また乗り越えなければならないものとなろう。そのなかでも軍縮平和と深く関わるのは、北朝鮮の核問題、北東アジアの地域協力などである。

本プロジェクトのメンバーは、大学の研究者を中心に構成し、各メンバーがそれぞれ専門とする研究領域に重点を置きながら、隔月程度の共同研究会を通じて、全体としての「東アジアの地域協力」像を構築していくことを目指す。そして、本プロジェクトの成果は、軍縮平和研究所、季刊『軍縮地球市民』に随時投稿するとともに、各メンバーが所属する学会等への寄与や、最終成果の出版・シンポジウム開催などに反映させていくことを計画している。また、他機関との連携についても積極的に取り組んでいく予定である。

主要メンバー

(研究統括責任者)
平川均(名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済動態研究センター教授)

(共同研究者)
進藤 榮一(筑波大学名誉教授、江戸川大学社会学部教授)
李 鋼哲(日本総合研究機構研究員)
石井聡(名古屋大学大学院経済学研究科附属国際経済動態研究センター研究員)
小林 尚朗(明治大学商学部助教授、軍縮平和研究所運営委員)
森元 晶文(明治大学軍縮平和研究所研究員)
朱 永浩(明治大学大学院商学研究科博士後期課程)

具体的な研究項目(2005年9月1日現在)

  1. 東アジアの歴史問題‐歴史認識の共有化‐
  2. アジア・アジア人概念とアジアの連帯
  3. 東アジア共同体論の背景、可能性、そして課題
  4. ASEAN共同体論の展開
  5. 北東アジア共同体論の現段階
  6. 東アジアを中心とした経済統合とFTA
  7. ASEAN‐中国のFTA
  8. 日本の対東アジアFTA戦略の問題点
  9. 経済統合と東アジア共同体の関係
  10. 北朝鮮の核問題と北東アジア協力
  11. グローバル化と東アジアの地域主義
  12. グローバル・マネーと東アジアの経済安全保障
  13. 東アジア共同体と軍拡問題
  14. 東アジアの安全保障問題
  15. 東アジアの人材・文化交流