明治大学研究・知財戦略機構に所属するガスハイドレート研究所は,「海鷹丸」(東京海洋大学練習船)を用いて,7月22日(博多港出港)から28日(金沢港入港)までの1週間にわたり,ガスハイドレート学術調査を実施しました。
調査団には「表層ガスハイドレート研究コンソーシアム」のメンバー(明治大学,東京海洋大学,千葉大学,東京家政学院大学,大阪大学,九州大学,秋田大学,信州大学,東京大学の教員及び学生,神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員)に加え,鳥取大学の教員と鳥取県水産試験場の研究員も加わり,総勢24名が参加【
写真1】しました。なお,鳥取大学教員と鳥取県職員の参加は,明治大学と鳥取大学及び鳥取県の大学間交流に関する包括協定に基づくものです。
調査対象は,表層ガスハイドレートを賦存する可能性の高い地質構造(ガスチムニーとハイドレーマウンド)が多数確認されている隠岐トラフとその周辺海域です。1週間のスケジュールで,ピストンコアリング,グラブサンプリング,深層海水の採取のほか流向流速とメタン湧出の観測を行ないました。
調査の結果,複数のガスチムニーより塊状〜板状のガスハイドレートを回収・確認し【
写真2】,エコーサウンダー音響調査では海底から多数のメタン湧出を確認しました。
「表層ガスハイドレート研究コンソーシアム」は,昨年7~8月にも隠岐トラフ域で少量の表層型ガスハイドレートの回収に成功していますが,今回の調査結果は,ガスチムニーが表層型ガスハイドレート賦存構造であることを一層確かなものにしたといえます。