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科学研究費採択課題詳細 2006年度

近現代中国江南の総合的研究-近100年間の人材的政治経済的発展基盤

研究課題名 近現代中国江南の総合的研究-近100年間の人材的政治経済的発展基盤
研究種目等 基盤研究 (B)
研究概要 (研究実施計画)
 まず,基礎的作業として,国内各研究機関・図書館における史料調査をおこなうほか,江南で発行された図書,雑誌・新聞類を,古書,復刻本あるいはマイクロフィルム等の形で購入し,江南近現代の政治・社会・教育等各分野に関する研究書も購入する。また,諸分野の専門知識を得るため専門家を招いて講演・意見交換などをおこなう。並行して,中国における日中合同調査のために,同じく江南地域史研究を進めている南京大学中華民国史研究センターを訪問し,共同研究の協定を結び,できれば浙江大学歴史系とも協定を結んで,次年度以降の史料収集と現地調査のための地域選定をおこなう。また,合同調査とは別に,北京の国家図書館や上海市●案館,上海図書館,あるいは南京大学図書館,南京図書館歴史文献部,上海図書館などにおいて予備的な史料調査をおこない,閲覧可能な●案・図書・雑誌・新聞などの地方史料を調査収集する。さらに,大学院生クラスの若手研究者もまじえて,江南に関する史料購読会を組織し,共同で分析を進め,成果の共有と理解の深化をはかり,また現地調査のための参考史料とする。研究の進行状況については,ホームページを開設して随時公開する。
 以上の作業において,各研究者は以下の各分野を分担する。高田幸男は研究統括のほか,教育関係の史料収集をおこない教育界の人的ネットワークの形成・変遷の考察をおこなう。井上久士は,中国国民党や中国共産党の江南支配の人的基盤や江南の周縁部農村地域に関する史料収集と考察をおこなう。久保亨は,近代以来の上海・無錫などの企業における人的資源の再生産・人的ネットワークに関する史料収集と考察をおこなう。小浜正子は,江南各地の地域エリートによる各種社会事業・慈善事業とそのネットワークに関する史料収集・考察をおこなう。田中比呂志は,清末以来の省レベル・県レベルの地方政治・文化や政治的人脈に関する史料収集と考察をおこなう。佐藤仁史は,県以下の地域社会における政治・文化に関する史料収集と考察をおこなう。さらに,研究計画調書提出後,人民共和国成立前後における江南地方行政機構再編と社会団体の対応の問題や清代までに形成された文人世界の近代における変容の問題を考察することが必要と認識されるようになったため,金子肇が行政機構と社会団体の関係に関して,川尻文彦が文人世界とその思想に関して,それぞれ史料収集と考察をおこなうこととする。

●は,「木」へんに「當」。
研究者 所属 氏名
  文学部 助教授 高田幸男
補助金額(千円)
※直接経費のみ
3,700
研究期間 2006.4~2010.3
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