私立大学学術研究高度化推進事業(大型研究)一覧 2009年度

高度先進医療を支援するハイパフォーマンスバイオマテリアルの創製とその医療用デバイスとしての応用

プロジェクト名称 高度先進医療を支援するハイパフォーマンスバイオマテリアルの創製とその医療用デバイスとしての応用
事業区分 学術フロンティア推進事業
研究組織名 先端医療材料創製研究所
研究概要  超高齢化社会の到来に伴い,骨粗鬆症などの骨疾患に苦しむ患者が増加しており,2010年までにその数は現在の2倍になると報告されている。我が国における人口の年齢別推移予測を示したグラフによれば,高齢者人口の増加に対して労働者人口は減少の一途をたどるため,我が国のGDPを維持するためには高齢者の方々のQuality of Life (QOL)を維持あるいは向上させるような高度先端医療を実現する必要がある。
 今後,超高齢化社会の進行に伴い骨粗鬆症などの骨疾患に苦しむ方々の増大は自明であり,「骨折の早期治癒」「骨再生による確実な骨癒合の実現」は整形外科領域において早急に解決すべき課題である。
 また,肝臓などの実質系臓器に重度な疾患を抱えた場合にはその根本的な治療は現在のところ,移植治療しかない。しかしながら,移植治療にはドナー不足という問題があり,それを解決できる見通しはいまのところない。そこで,細胞と成長因子と細胞の足場となる材料(Scaffold)を使って目的とする臓器を再生させる「組織工学(ティッシュエンジニアリング)」「再生医学」が注目を集めている。この分野はライフサイエンスのなかでも特に競争の激しい分野であるが,細胞の足場材料の開発は細胞や細胞の分化を制御する成長因子の研究よりも遅れており,再生医療のための優れた「足場材料の開発」が強く求められている。
 さらに,我が国の死亡率の第1位は癌であり,毎年約30%の方々が癌のため亡くなっている。現在の癌治療は,初期であればほぼ100%治ることになっているが,外科的手術による浸襲や化学療法,放射線治療に伴う副作用という患者のQOLを損なう多くの問題を抱えており,患者に負担の少ない新しい治療法の確立が望まれている。そのような背景のもと「高度癌治療の確立」に向けて材料の果たす役割も大きい。例えば,体にやさしい生体適合性のあるセラミックス中空微小球に薬剤を担持させ,それらをカテーテルで癌の浸潤した部位に導入してできるだけ患者に負担をかけずに治療するような新規な「ドラックデリバリーシステム(DDS)」のキャリアーを開発することも重要な課題である。
 上記のような社会的背景を踏まえ,本プロジェクトでは,「骨折の早期治癒」や「再生医療」・「高度ガン治療」などを念頭におき,高度先進医療の実現を指向した「ハイパフォーマンスバイオマテリアル」の開発を行なう。この分野はかなり競争の激しい分野であるが,メンバーはこれまでにセラミックスをベースとしたバイオマテリアルの開発を推進し,オリジナリティーのある研究で多くの成果を挙げてきている。特に,アパタイト単結晶ファイバーを利用した研究,すなわち,1) アパタイトファイバーから作製した多孔質セラミックスにポリマーを導入して生体骨と力学的に調和したハイブリッド材を創製する研究(H8-13年度日本学術振興会未来開拓事業,H14-H17科研費若手研究(B)などにより実施)や2) アパタイトファイバーから骨再生のための足場材料(Scaffold)を開発する研究(H14-16年度NEDO産業技術研究助成事業により実施)は国内外から高い評価を得ている。それらの研究成果により相澤は平成13年度日本セラミックス協会進歩賞や平成16年度無機マテリアル永井記念奨励賞など5つの関連学協会から表彰されている。本プロジェクトにおいてもこれまでの成果を基盤とし,このアパタイトファイバーなどを利用した研究をさらに展開して人類のQOLの向上に貢献する材料を開発する。
研究者 所属 氏名
  理工学部 教授 相澤守
  理工学部 教授 吉村英恭
  理工学部 教授 納冨充雄
  理工学部 准教授 深澤倫子
  農学部 教授 長嶋比呂志
  理工学部 教授 永井一清
  理工学部 教授 崔博坤
  理工学部 教授 平岡和佳子
      他10名
研究期間 2006.4~2011.3
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