特定課題研究ユニット詳細 2006年度

さとやま保全研究所

研究所名 さとやま保全研究所
研究課題名 農場予定地周辺の里山を活用した保全教育の展開
研究所概要 (研究目的・成果達成のイメージ)
 わが国の保全教育は,大幅に遅れているだけでなく,輸入されたプログラムが多いため,日本の自然環境や日本人の自然観に根ざしていない。そこで,本研究は日本の里山に根ざしたプログラムを開発することを目的とする。
 本研究では川崎市にわずかに残された里山である川崎市麻生区黒川地区に位置する明治大学の農場予定地の斜面樹林等をフィールドとして活用する点に特色がある。本研究では,里山保全活動を農場の用地で実際に行い,生物学的なデータから評価し,順応的管理の手法を検討する。
 予想される結果としては,市民が実際に里山保全活動に参加することと,モニタリングすることによって,保全意識が高まることがあげられる。さらに,日本型の保全教育プログラムを開発するには日本人の自然に対する見方を解明することが必要なので,自然保護を進めるための戦略が明らかになることが予想される。本研究では,これらの効果を,保全生物学的観点から解析するだけでなく,レクリエーション論や野外教育の観点からの解析によってプログラムのあり方を明らかにする。さらに,本学学生にもプログラムを体験してもらい,プログラムの改善と普及を図る。

(2006年度研究実施概要)
 明治大学農場予定地の位置する川崎市黒川の農業振興地域において,昭和初期の人と里山との関係を聞き取り調査した。その結果は,予想よりも桑畑の役割が大きかったことが推定された。
 学生実習において,放棄水田を借地して,生きもののための水たまりをつくるプログラムを実際に行い,学生の反応を調査した。学生の反応は多様だったが,作業にはおおむね好意的であった。
 農場予定地内の雑木林に生育する絶滅危惧植物のタマノカンアオイの分布要因を検討した。タマノカンアオイは夏季に地上部が消失した個体が多く,土壌の乾燥との関連が考えられた。農場予定地内の雑木林の林床管理による林床植物の多様性の変化を管理を変更することによって検討した。管理に伴って多様性が増大していた。水路に生息するホトケドジョウの生態を調査した。堰の役割が大きいことが明らかになった。
 黒川と農場に対する住民の意識を郵送アンケートによって検討した。黒川には景観的な価値,農場には保全と地域との交流が求められていた。
研究者 所属 氏名
  農学部 教授 倉本宣
  農学部 教授 輿水肇
  農学部 助教授 加納明彦
  法学部 助教授 多田聡
  農学部 助教授 菅野博貢
研究期間 2006.4~2011.3
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