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学生相談室

「相談室の窓から」~相談員になって一年・・・~

2015年05月20日
明治大学

『相談員になって一年・・・』
                            学生相談室 相談員
商学部 准教授  町田 一兵

 商学部の町田です。相談員になって一年になりました。それまでもっぱら商学部の学生との接触だったもので、他学部から、また留学生からも色々な相談を受けたことに大変良い経験をさせてもらいました。
 学生の時代でこうした相談を実際にした経験がないものの、単純に知らなかっただけであり、こうした場所が欲しかったというのは現在相談員になった感想でした。
 私が学生の頃に比べ、多くのIT機器が進むと同時に、世の中の動きがかつてないほど迅速となり、学校のハードやソフトの進化もあって、授業の中身も濃くなり、まだ社会人になっていない若い皆さんにとって、生活しながら勉学することで色々な悩む要素は十数年前よりもはるかに増えたはずです。
 悩みがストレスとなって溜まっていき、精神的な障害となり、自分自身を疑問視することもしばしばあるようですが、仕事の関係でASEANを中心とする途上国によく出かけます。そこで出会った年収1000ドル以下の多くの人々にその明るさや笑顔、フレンドリーな振る舞いに惹かれました。
 つい昨年ラオスの国境にあった高床式に住まわれる家族と出会って、ほぼ家具らしい家具もなく、雨をギリギリギリギリ凌げる家の入口で、母親が生まれて半年の赤ちゃんを抱いて、私のカメラに向かって微笑みました(もちろん許可を取りましたが)。あの明るく・素敵な笑顔は忘れられません。帰国の途で同行した人間も口揃って同じことを言いました。
 私はどんな悩みがあってもあの親子の笑顔を思い出します。悩みはひとりで抱えず、人生は乗り越えられない障害はないと確信しています。
 会って話すこと、そこでできることとできないことを明確にし、悩む種を少しでも減すことは相談員の役割と思っています。
 また、グローバル化が進む中、日本人のみならず、増える留学生からも勉強や進路の悩みもときとき打ち上げられ、母国と異なる環境で勉学されることを考えれば、様々な悩みが尽きないことも当然かと思います。こうした切実な諸問題をアドバイスしていくことはやはり重要であると認識しています。
 個性を重視する中、学生は一人一人違う素質を持って、大学で勉学しながら、自分のユニークさを伸ばしてプロセスの中、明治大学で4年を過ごすことの楽しさと同時に、厳しさもきちんと理解し、明るく過ごしていく手伝いをしたいと思います。