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改善アクションプランの目的と特長,役割

1 「改善アクションプラン(3ヵ年計画)」の目的

 改善アクションプラン(3ヵ年計画)(以下,アクションプラン)は,本学の教育・研究の質向上に係る継続的な改善活動に資することを目的としたもので,自己点検・評価活動から発展した内部質保証システムとして,2008年度から新しく導入した制度です。

 本学は,2007年度に学校教育法第109条第2項に定める認証評価機関による評価(以下,認証評価)を大学基準協会にて受審し,「明治大学に対する大学評価結果ならびに認証評価結果」(以下,認証評価結果)では,勧告事項がなく、「大学基準に適合している」と認定されました。しかしながら,認証評価結果では,「問題点の改善に向けた取り組み(以下,指摘事項)」および「助言」があり,これらの事項について,真摯に改善に努める必要がありました。特に助言については,大学基準協会に対して「改善報告書」の提出が義務づけられ,改善の成果を可視化する工夫が必要とされました。

 従来,各学部等においては,自己点検・評価における改善方策を,「教育研究に関する年度計画書」に反映することで,改善に向けた取り組みを推進してきました。そこで,より一層,着実に改善を進めるため,自己点検・評価全学委員会(2008年10月27日)では,認証評価における指摘事項及び助言について,「改善アクションプラン(3ヵ年計画)」制度を創設しました。この制度は,総合的な検証を行う自己点検・評価とは別に,個別の改善事案ごとに改善目標と計画的な改善計画を策定するものです。評価の視点としてあらかじめ客観的指標を設定し,その達成状況を検証することを通じて,具体的に改善結果を明示することを目的としています。

2 アクションプランの特徴と役割

 アクションプランは,指摘事項及び助言に対応して,各学部等が自ら改善目標,改善計画(最終目標,年度目標,参考指標,主な改善手段)を策定した上で,改善活動を行い,改善計画にしたがって活動実績を評価する形式となっています。あらかじめ,改善活動の目標(ゴール)や手段(プロセス)示し,その活動結果を評価することで,計画(P)と活動(D),評価(C)を直接的に結びつけ,改善の進捗状況を把握しやすくするとともに,次年度の改善計画策定(A)のための情報を提供します。個別プログラム(活動や事業)単位でPDCAサイクルを回すマネジメントシステムです。

 アクションプランの特徴は,①目的・目標を「最終目標(最終アウトカム)」と「年度目標(中間アウトカム)」の2段階で示し,改善活動を実施するにあたっての指針を分かりやすく示せることや,②客観的指標を設定して達成状況を点検・評価することで,根拠データを明確化しつつ,改善計画策定に必要な情報として利用しやすくなること,また,③指摘事項および助言を自己点検・評価事務局においてとりまとめ,チェックシート形式で各学部等に提供することから,(ア)改善項目が明確となって対応漏れが防げること,(イ)年度計画書や点検・評価報告書,予算資料との整合性の点検が容易となること、(ウ)部門間の調整を自己点検・評価事務局が行うので各学部等は改善活動に専念できること等から、より実効性を伴う改善支援ツールとなることにあります。

 第1期(2008年度~2010年度)は,2011年7月の改善報告書の提出に向けて,計画,評価,予算等のマネジメントシステムと連動した改善を促進することを目的としています。また,第2期(2012年度~2014年度)では,認証評価結果以外にも,評価委員会からの提言や自己点検・評価の評価結果などからも自律的に改善目標を定めており,各学部等において改善手段の他,改善に資する予算,人員,施設・設備等の過不足を点検したり,教育・研究活動の強み,弱みを把握したりすることから,教育・研究の質向上を目的とした恒常的な改善を促進するシステムとして機能していますことを期待するものです。