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小畑精和『カナダ文化万華鏡—『赤毛のアン』からシルク・ドゥ・ソレイユへ』



『カナダ文化万華鏡—『赤毛のアン』からシルク・ドゥ・ソレイユへ』
小畑精和著
四六判・上製・412ページ・本体3,300円+税
ISBN 978-4-906811-04-5
2013年4月刊行

丸善出版HP明大サポートHPからもお買い求めいただけます。

書評
・「cahier」第14号(2014年9月)に書評が掲載されました。
「神奈川大学評論」第75号に書評が掲載されました。
「ふらんす」2013年8月号で紹介されました。
・カナダ大使館 E-ニュースレター「Culture Canada」2013年6月号で紹介されました。
・「読売新聞」(2013年5月5日 読書欄)で紹介されました。こちらもご覧ください。

内容紹介

『赤毛のアン』から『タイタニック』まで、ジョニ・ミッチェルからシルク・ドゥ・ソレイユまで。誰にでも親しまれていながら、それらがカナダ発であることは意外なほど気づかれていない。カナダの厳しい自然と現実の中で育まれた想像力の系譜を「サバイバル」というキーワードでたどり、さらに「文化の多様性」をさまざまな角度から検証し、新たな可能性を探る。カナダの文化を初めて包括的に捉えた注目の書。
 
   本書で取り上げた作品や作家・アーティスト
  『赤毛のアン』
  『タイタニック』
  『やぁ,ガラルノー』
  『木を植えた男』
  セリーヌ・ディオン
  ジョニ・ミッチェル
  シルク・ドゥ・ソレイユ
  ほか

 

目次

序 論
第一章 文化を語る際の留意点
第二章 リアリズムとキッチュ

第一部 サバイバル
第一章 M.アトウッドのサバイバル論——犠牲者の四つの態度
第二章 『タイタニック』——サバイバルの代名詞
第三章 『赤毛のアン』——イギリス系のサバイバル
第四章 『マリア・シャプドレーヌ』——フランス系のサバイバル
第五章 『三十アルパン』——忍び寄る近代化
第六章 『アガグック物語』——イヌイットのサバイバル
第七章 『束の間の幸福』——サバイバルから現実へ
第八章 『赤毛のアン』と『束の間の幸福』の比較——キッチュの可能性

第二部 ありのままの現実・見えにくい現実
第一章 アメリカ化しないカナダ——『炎と氷』
第二章 フランコフォンの変容
第三章 現実と向き合う歌
第四章 抑圧への反抗——『石の天使』と『やぁ、ガラルノー』
第五章 近代化への警告——フレデリック・バック
第六章 日系作家のカムアウト
第七章 移民作家の見る現実
第八章 ケベックにおける舞台芸術の隆盛
結論にかえて

 

著者紹介

小畑精和(おばた・よしかず)
1952年東京生まれ、大阪育ち。明治大学政治経済学部教授、大学院教養デザイン研究科長、体育会ラグビー部部長。大阪府立大手前高校卒業、京都大学文学部(フランス文学専攻)卒業、京都大学大学院文学研究科単位取得満期退学(フランス文学専攻)。モンレアル大学大学院フランス研究専攻(ケベック研究)単位取得満期退学。日本ケベック学会初代会長、現顧問。キッチュとレアリスムをキーワードに、現実に対して人間が抱くイメージを研究する。第21回アメリカ地域フランコフォン功労章をアジアから初めて受章(1998年)。著書に『ケベック文学研究——フランス系カナダ文学の変容』(御茶の水書房)、『「ヌーヴォー・ロマン」とレアリストの幻想』(明石書店)、編著に『ケベックを知るための54章』(明石書店)、訳書に『やぁ、ガラルノー』(彩流社)ほか。