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新装版〈明治大学リバティブックス〉刊行にあたって

出版会編集委員長挨拶(新装版発刊の辞)

教養主義がかつての力を失っている。
悠然たる知識への敬意がうすれ、
精神や文化ということばにも
確かな現実感が得難くなっているとも言われる。
情報の電子化が進み、書物による読書にも
大きな変革の波が寄せている。
ノウハウや気晴らしを追い求めるばかりではない、
人間の本源的な知識欲を満たす
教養とは何かを再考するべきときである。
明治大学出版会は、明治20年から昭和30年代まで存在した
明治大学出版部の半世紀以上の沈黙ののち、
2012年に新たな理念と名のもとに創設された。
刊行物の要に据えた叢書〈明治大学リバティブックス〉は、
大学人の研究成果を広く読まれるべき教養書にして世に送るという、
現出版会創設時来の理念を形にしたものである。
明治大学出版会は、現代世界の未曾有の変化に真摯に向きあいつつ、
創刊理念をもとに新時代にふさわしい教養を模索しながら
本叢書を充実させていく決意を、
新装版〈リバティブックス〉刊行によって表明する。 

2013年12月
明治大学出版会