2008年 年頭にあたり
「新年のご挨拶」
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
今年は,十二支の第1番目“子”の年。皆様にとって明るい兆しが出てくる年になることを,そして明治大学にとっては飛躍が期待される年になることを願っています。
ところで,この正月を迎えて,私は学長に就任して3年9月の歳月を過したことになります。実感としては,文字どおり「光陰矢の如し」です。この間,素晴しい有能なスタッフに恵まれ,かつ多くの教職員の暖かいご理解とご協力をえて大学改革を推進させていただきました。心より感謝と御礼を申し上げます。
さて,近時の大学をめぐる状況は,かつて金融や保険などの分野でみられたBig Bangの時代に入りつつあり,大学間の競争は一段と厳しいものになっています。これから各大学は,タテ軸(歴史)とヨコ軸(現況)を交差させて,次のステップを目指す政策を展開しなければならないと思います。時代の風がどのように変わろうとも,大学にとって建学の精神(理念)や光輝ある伝統を堅持すべきですが,社会の新しいニーズに適応するために変革が必要な場合には,たとえ過去に成功例として賞賛された制度であっても,これを変える勇気が求められています。しかも時機を失することなく,変革することが必要です。そこでの遅れは,その大学にとって,単なる「停滞」にとどまらず,むしろ相対的には「後退」を意味します。
本学が21世紀においても持続可能な大学になるためにも,全学の叡智を結集して中長期の展望のなかでグランドデザインを策定し,これが順次,滞ることなく実現されることを願っています。
最後になりましたが,皆様のご多幸とご健勝を祈念して,私の年頭の挨拶とさせていただきます。
学長 納谷廣美
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