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同様に、マンガやおたく文化の研究にとっては、同人誌も不可欠です。たとえば米沢さんと親交が深かった作家に、吾妻ひでおさんがいます。吾妻さんは、少女マンガ的な絵柄を性的なパロディにするという、後の「萌え」へとつながる美少女の様式を成立させる上で、非常に大きな影響を及ぼしました。そして、そうした影響を伝搬させた重要な媒体の一つに、70年代末から80年代初頭にかけて吾妻さんが参加していた同人誌、「シベール」があります。しかしこれを手にとって読むことは、今となっては非常に難しいわけです。「そういう影響があった」ということは間接的に語られていますが、今の研究者が一次資料に当たってそれを検証しようとしても、非常にアクセスしにくい。コミックマーケットの見本誌を閲覧することができるようになれば、大変な前進があります。 |
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同人誌「シベール」Vol.1
(シベール編集部発行、
トビラ絵は沖由科雄) |