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米沢嘉博 1953〜2006
(よねざわ・よしひろ/マンガ評論家・コミックマーケット準備会前代表)
1953年3月21日熊本県熊本市生まれ。明治大学在学中より批評集団「迷宮」の活動に参加。ライター・編集などを経て1980年より「戦後マンガ史三部作」を刊行、以後マンガ評論を中心に大衆文化関連の評論を行う。日本マンガ学会の設立にも参画し、理事を務めた。『別冊太陽・発禁本』が1999年第21回日本出版学会学会賞を受賞、『藤子不二雄論 FとAの方程式』で2002年第26回日本児童文学学会賞を受賞。2007年星雲賞特別賞を受賞。
1975年第1回コミックマーケット創立メンバーの一人。1980年から2006年までコミックマーケット準備会代表を務め、現在の同人誌即売会コミックマーケットの理念を形作った。
主な著書に
『戦後少女マンガ史』(新評社,1980年)
『戦後SFマンガ史』(新評社,1980年)
『戦後ギャグマンガ史』(新評社,1981年)
『アメリカB級グッズ道』(晶文社,1999年)
『藤子不二雄論 FとAの方程式』(河出書房新社,2002年)
『戦後野球マンガ史』(平凡社,2002年)
『マンガで読む「涙」の構造』(NHK社,2004年)
『手塚治虫マンガ論』(河出書房新社,2007年)
などがある。
2006年10月1日肺癌にて死去。享年53。 |
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[誕生から高校卒業まで]
熊本に生まれ、思春期を過ごす。
この頃、すでに漫画や評論などを発表している。
1953(0歳) | 熊本に生を受ける。 |
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1967(14歳) | 中学3年生のこの年、「アズ漫画研究会」に入会 |
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1969(16歳) | 第8回SF大会KYUCONにスタッフとして参加。 |
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[学生時代の活動とコミックマーケット黎明期]
この頃、マンガをサブカルチャーとして捉えるムーブメントや、三流劇画誌の流行などを背景に、マンガ批評へのニーズが高まっていた。そんな中、米沢は大学在学中、執筆活動を始める。
1972(19歳) | 明治大学入学ともに、青雲の志を抱いて上京。 明治大学SF研究会に入会。マンガ同人誌も制作。 |
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1975(22歳) | 批評集団「迷宮」を結成。迷宮メンバーによりマンガ批評同人誌『漫画新批評大系』を刊行。 この年、日本初のマンガ同人誌即売会「コミックマーケット」を開催。 |
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1977(24歳) | 米沢主催の同人誌『グロッタ』創刊。 |
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[評論家・コミックマーケット代表 米沢嘉博の誕生]
マンガ史三部作の上梓とともに、本格的な執筆活動を開始。
アニメブームを背景に、巨大コンベンションへと、急成長するコミックマーケット。
また、本人の身辺も大きく変化して行く。
1980(27歳) | 初の著書『戦後少女マンガ史』上梓。
戦後マンガ史三部作の第二作『戦後SFマンガ史』も同年発刊。 |
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1981(28歳) | 戦後マンガ史三部作の第三作『戦後ギャグマンガ史』発刊。マンガ評論家としての基盤を確立する。 |
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1985(32歳) | 株式会社コミケット社長に就任。 |
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1987(34歳) | この頃より『現代用語の基礎知識』に解説を執筆。 |
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[マンガ評論、文化史評論家として様々なジャンルへ進出]
「オタク」の認知の一般化とともに、オタク・カルチャーがバッシングを受け始める。
逆風の強さとは裏腹に、コミックマーケットはさらに拡大する。
1990(37歳) | 『別冊太陽 子供の昭和史35年〜48年』のうちの「子供雑誌の六〇年代」の構成・解説を担当。
これをきっかけに別冊太陽の監修・構成を多く手がけることになる。 |
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1992(39歳) | 日本ジャーナリスト専門学院の講師となる。 |
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1996(43歳) | 有限会社コミケット設立。 |
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1997(44歳) | 『QJマンガ選書』の監修。同シリーズの刊行を始める。
「手塚治虫文化賞」の選考委員となる(2002年まで)。 |
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1999(46歳) | 第21回日本出版学会賞受賞。 |
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年譜としては晩年ということになるが、これまでの仕事が実を結び、さらに大きなステップへ向けての準備の時期のように見える。
マンガ評論にとどまらず、文化史、サブカルチャーなどを足場に日本文化の証言者としてその活動は海外へまで広がりつつあった。
2000(47歳) | 「緊急シンポジウム 表現と著作権を考える」を開催。 |
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2001(48歳) | 日本マンガ学会発足、理事就任。 |
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2002(49歳) |
第26回日本児童文学学会学会賞受賞。 |
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2004(51歳) | ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本展に、コミケット準備会が出展。 |
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2005(52歳) | 第44回日本SF大会HAMACON2にて柴野拓美賞受賞。のらくろ漫画賞審査員に就任。 |
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2006(53歳) | 10月逝去。 |
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2007 | 第65回世界SF大会/第46回日本SF大会Nippon 2007にて星雲賞特別賞受賞。 |
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