
シャネル社長リシャール・コラス氏の特別講演

サンパウロFAAP大での
学生によるファッションショー
これまで日本には、ファッション・デザインの学校はあっても、ファッション・ビジネスやファッション・マーケティングの分野を積極的に学ぶ学校は存在しませんでした。しかしファッション業界は多大なキャパシティを抱えている分野であり、すでに海外ではファッション・ビジネスについて学ぶ学校が増えています。そこで明治大学商学部では、日本ではまだ開拓できていないファッション・ビジネスについての実践的教育をスタートさせました。
まずすでに始まっているものとして特別講演の通年実施があります。なかでも注目を集めているのが、シャネル社長のリシャール・コラス氏による特別講演。講演は全7回を予定していますが、コラス社長から直々に、シャネルの歴史はもちろん、ファッションとは、ブランドとは、ラグジュアリーとは、などをお話しいただき、ほかでは聞くことのできない充実した内容となっています。特別講演ではそのほか、コシノ・ジュンコ氏や山陽商会の代表取締役会長の中瀬氏も登場。ファッション・ビジネスの第一線で活躍する方々の貴重なお話が聞けることもあり、会場はいつも学生たちの熱気に包まれています。
そしてもうひとつ、ファッション・ビジネスを学ぶ場として期待が大きいのが、11月26日に開催する国際シンポジウム「ファッション・ビジネス教育の世界展開」です。パネリストには、インペリアル・カレッジ・ビジネス・スクール、モダルト・インターナショナル学院ファッション・マネジメント科、東華大学服飾デザイン学院、パリ商業高等大学マネジメント学部、クイーンズランド工科大学など、ファッション・ビジネス教育の専門家を世界中から招聘。海外で取り組まれているファッション・ビジネス・プログラムやカリキュラムに関して相互に情報交換を行い、それを踏まえたうえで、国際的な教育ネットワークの構築について、一般の参加者も交えて広く討議を行う予定です。
そして商学部の「留学生交流プログラム」のひとつにも「ファッション・ビジネス・プログラム」が用意されています。日本の経済産業省は「21世紀の文化産業」としてファッション産業の重要性をようやく認めたものの、日本の大学では、ファッション産業の発展を担うビジネス・パーソンの組織的な養成は依然として行われていません。そこでこのプログラムは、パリ商業高等大学などの協定校を中心として、ファッション・ビジネス教育に関するグローバルなネットワークを構築して、海外におけるファッション・ビジネスについて広く学ぶことを目的としています。国際ジョブインターンシップ制度も積極的に活用することも視野に入れており、ファッション・ビジネスに精通したグローバルな人材の育成が期待されています。