PHOTOGRAPHY__SHUHEI TONAMI/LOCATION__IKUTA CAMPUS
学びの先に広がる世界

エンジンから、
世の中を
楽しく
していきたい。

株式会社本田技術研究所
研究開発職原田剛機械情報工学科

2014年に明治大学大学院を修了しメーカーの研究所に就職した原田さんに、大学時代のこと、仕事のことをお聞きしました。

地球に優しいエンジンでスポーツカーを残したい

昔からずっと車が好きでした。その中でも美しいボディラインや洗練された外観を持ち、一般の乗用車とは明らかに異なる存在感があるスポーツカーに夢中になりました。しかし私が中高生のとき、地球温暖化に対する取り組みとして世界中で環境規制が進んだ結果、好きだったスポーツカーが次々と生産中止に…。このことは、当時の私にはとても悲しい出来事でしたが、どうしたらスポーツカーを残すことができるのかを考えるきっかけともなりました。

その中でスポーツカーに搭載するエンジンの内燃機関をクリーンで地球に優しいものにできれば実現できるのではと考えた私は、明治大学の環境情報研究室に進み、エンジンの燃焼プロセスを研究。その後本田技術研究所に入社し、エンジンに関わる仕事に就きました。

新しいモビリティの誕生につなげていきたい。

本田技術研究所では、先進パワーユニット・エネルギー研究所に所属しています。私は、いままで自動車の研究開発を軸に、ディーゼルエンジンの商品性を高める開発、エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドパワーユニットの電力制御ユニット、電動車両制御の開発などに携わってきました。現在は航空機用のガスタービンエンジンの開発に従事しています。エンジンといってもそれを支える技術は多岐にわたり、ひとつの機能部品の開発に関わる人は50名くらい。そのため、異動する度に新しい技術と仲間と出会い、世界のひろがりを実感することができるので、私はいつもワクワクしています。

仲間が培ってきた技術、そして私が各分野で培ってきた技術を重ね合い、お客さまの喜びにつながる新しい価値、新しいモビリティの誕生につなげていきたいと思っています。

自分のために働き世の中も楽しく

創業者である本田宗一郎さんの「まず自分のために働け」という言葉があります。私はこの言葉を働く上で大切にしています。自分のためというと利己的ととらえがちですが、自分にとってプラスのことが、周囲や社会のプラスにつながっていくと解釈し、まずは自分を信じて進んでいこうと考えています。

右がいい、左がいいという自分の判断基準や考えをしっかり持ちながらも、時には他者の考えも受け入れ、その基準をアップデートしていくこと。たとえ考えや意見が対立しても、互いのことを理解し合い、新しい考えを生み出していけばいいと思っています。そうすることで、最終的にはお客さまのためにつながっていく。まずは自分が楽しく働くことで、世の中を楽しくしていけたらと思いながら働いています。

原田剛

機械情報工学科/2012年卒業
大学院理工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程/2014年修了

2014年3月大学院理工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程修了。環境情報研究室にて、エンジン内部の燃焼プロセスやクリーンな燃焼システムなどを研究。2014年4月から株式会社本田技術研究所に勤務し、現在は航空機用ガスタービンエンジンの開発を担当。

※所属・役職は取材時点のものです。