黒耀石研究センター員の藤山龍造明治大学准教授が、第6回角田文衞古代学奨励賞を受賞しました。

2016年11月28日
明治大学 研究・知財戦略機構

 角田文衞古代学奨励賞は、(公財)古代学協会が、2011年に創立60周年を迎えるにあたり、協会の創立者・角田文衞博士の名を冠して、創設された賞です。本賞は、季刊『古代文化』への投稿論文の中から秀作を選んで表彰し、古代史研究の奨励と将来性ある若手研究者を支援することを意図する論文賞です。第6回は、藤山龍造センター員の「砥石から読み解く骨角器生産-栃原岩陰遺跡を中心に-」(『古代文化』第66巻第1号、2014年6月)が、受賞論文・受賞者に決まりました。

【以下、授賞理由】
 藤山氏は砥石と骨角器の両者を詳細に観察し、クロスチェックすることから「板状砥石」が骨角器生産と密接に関連する器種であることを明らかするという、考古学の正攻法とも言える研究方法が用いている。そして、これまでの研究では等閑視されがちであった器種である砥石に着目した点、その背景にある骨角器生産の実態を解明しようとする着眼点、そして自らの仮説を論証するために詳細に骨角器の使用痕を観察する姿勢は、考古学的に模範的な研究方法と言え、高く評価することができる。
 また、本論文では砥石と骨角器が共伴関係にあり、層位的にも土器群の時期的変遷明らかな、栃原岩陰遺跡の資料をその論証の中心に据えていることで、より実証性を高めることに成功している。
 さらに、藤山氏の研究目標はさらに遠大であり、縄文時代初頭の生業論や行動領域論、社会論まで展望するものであることが、最終章において予察として仮説が開陳されている。すなわち、縄文時代初頭の骨角器生産が特定遺跡で累積的に行われる行動パターンに着目し、長距離の往来を繰り広げていた草創期末葉の集団の生業活動と行動領域論について推定しているのである。本論文の最後に藤山氏は「研究者側の問題設定に応じて、考古資料は雄弁にもなれば無口にもなりうる。この意味では、ひとえに考古資料を操作する側の態度が問われるわけである。普段は見向きもしない資料であっても、我々の問い掛けに応じて、一転して膨大な情報をもたらすことがある。」と指摘する。まさに考古学研究の本質を示していると言えよう。今後も引き続きこうした研究姿勢を貫いての研究の展開に大いに期待しておきたい。
(古代学協会ホームページhttp://kodaigaku.org/syoreisyo/06/fujiyama.htmlより)

 

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