江口寿史は、1977年のデビュー以来、30年以上にわたって、いつもその時代ごとの〈ポップ〉を形にし続けてきました。幅広く愛されるポピュラリティを持ち、それでいて、時代の先端ではじける軽さを兼ね備えること。『少年ジャンプ』の人気作家であることと、サブカルチャーの最先端に位置することを両立させられる稀有な資質を持つ作家だといえるでしょう。米沢嘉博記念図書館では、川崎市市民ミュージアムなどを巡回する「江口寿史展 KING OF POP」のSide B として、マンガやイラストの原画に加え、初出誌や関連資料を多く用いて、それぞれの仕事が置かれた時代の文脈を見ていきます。江口寿史の〈ポップ〉はどのような時代の気分の中で形作られ、またどのような時代の気分を形作ってきたのか。会期を4期に分けて探っていきます。
米沢嘉博記念図書館で2015年10月9日から2016年2月7日まで行われ好評を博した「江口寿史展 KING OF POP Side B」が、青土社から『江口寿史 KING OF POP Side B』として書籍化され、10月25日に刊行されました。
展示の構成、解説を担当した国際日本学部の宮本大人准教授が編著者となり、4期にわたって繰り広げられた展示の内容をほぼそのまま書籍の形に再現しています。
当館の展示の図録に相当する書籍が出版されるのはこれが初めてです。展示終了後に出版が企画されるのは異例のことですが、展示自体が多くの来場者を得たこと、同展の関連イベントとして本学で実施された江口氏の講演などを収録した『ユリイカ 臨時増刊 総特集・江口寿史』(青土社)も好評を博したことなどから、今回の書籍化が実現したものです。