| 間宮 |
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私も大学で仕事していて、お昼を食べた後、1時間ぐらい神保町を散歩代わりにぶらぶらしていました。私の場合、専門が法律ですから社会科学関係のところを回っています。学生時代はこれがほしいなと思っても、お金が無くて買えないということがあったわけですが、それがお金をもらえるようになっていくと、いいなと思うと買うようになる。必然的にだんだん置く場所が無くなって、先ほど申し上げたとおり「ああ、これは限界超えたな」という感じになっていったんですが(笑)。 |
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| 米沢 |
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昔は限界を超えると引っ越していました(笑)。それこそヤドカリ生活と言っていました。私が知っている最初は井の頭線の池の上駅のそばにあったハルミ荘。これが大学生の時で、その後やはり池の上でアベ荘というところに引っ越しました。このアベ荘が割と広くて、ちょうどコミケットが本格的に始動した時だったので、当日に使う資料とかガムテープとかその他色々細かい備品を、最初は置いておくことができたのですが、徐々に本が浸食し……。アベ荘が手狭になって引っ越そうということになって、池の上駅のそばに次のアパートを借りたのですが、木造の2階でそこに本を三分の一運び込んだら、下の大家さんがいきなり現れて、「ドアが閉まらなくなった」と怒られました。結局、そこには一週間もいられず、鉄筋コンクリート製でないとだめだということで、不動産屋さんの負担で改めて引っ越しを(笑)。 |
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| 間宮 |
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大体池の上・下北沢周辺を移っていくという感じですか。最初に東京に出てきて住んだ場所もその辺で? |
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| 米沢 |
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最初は生田の学校のそばですね。聞いた話によるとそこに1年くらいいたのですが、あまりにも不自由だし本屋もないということで、永福町の友達のところに居候していたそうです。その後、その友達が池の上に移ったので、多分そのせいで池の上に来たのだと思います。あの辺に住んでいれば、下北沢は若者の街で遅くまで店が営業しているし、物価も安いし、どこにでも行きやすいですし。下北沢界隈は気に入っていたんでしょう。 |
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| 森川 |
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コレクターというと、その趣味が結婚の障害になったり、夫婦ゲンカの元になったりするという話をしばしば聞きますが、米沢さんの場合はいかがだったでしょうか? |
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| 米沢 |
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私自身も本が好きだしマンガも好きだし何でも結構好きなので、命の危険さえ感じなければ(笑)。結婚前の話ですが、積み上げていた雑誌が地震で崩れて、米沢が下敷きになったこともありました。幸いケガはなかったのですけど。私もその頃東北沢に住んでいて、家もそこそこ広かったのですが、彼にちょっと預かってと言われて、台所がどんどん浸食されて……、段ボールが30箱以上ありましたね。最終的に六畳の台所の3分の2が塞がってしまいました。でも、そのうち片付けてくれるのかと思っていた私もいい加減といいますか(笑)。「私マンガが好きです」と言って結婚しても、「こんなはずじゃなかった」という状況はよくあるじゃないですか。でも、私個人はあんまり気にならなかったんです。父親の仕事が土木設計関係で、仕事上本を沢山持っていたので、本が家にある生活は当たり前だったからかもしれません。 |
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| 間宮 |
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だから、コレクターは、そういう奥さんと、あるいはそういうご主人と結婚しなきゃだめだということでしょうか。その意味では非常に幸いな出会いだったんですね(笑)。 |
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| 米沢 |
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いや、不幸な出会いだったのではないかと(笑)。 |
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| 藤本 |
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いえ、幸いですよ、おかげでコレクションとして保管されたわけですし。 |
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