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「COM解説 1頁」
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1967年1月号
創刊号、手塚治虫『火の鳥』、永島慎二『青春残酷物語』、石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』の三大連載とアニメ監督、出崎統による当時製作中だったテレビアニメ版『悟空の大冒険』のコミカライズが創刊時の連載作品。手塚治虫の過去作品を再録した「名作劇場」も創刊号から。有名な手塚による「創刊のことば」が巻頭を飾り、情報ページ「まんがジャーナル」、尾崎秀樹司会による座談会連載「まんが月評」(読者を集めた「新書版コミックスを切る!」)、「戦後まんが主人公列伝」、「まんが予備校」を中心に据えた読者参加ページ「ぐら・こん」と記事ページもこの時点で基本フォーマットが確立されている。「ぐら・こん」では峠あかね(真崎・守)が「活動をはじめよう!」と熱っぽく煽っていた。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 かたみの言葉」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『冒険狂時代』
1967年2月号
ゲスト読み切り枠が新設。ただ、この号は単なる新人読み切り扱いで、三号目以降のような「有名作家による読み切り枠」という扱いではない。尾崎秀樹「まんが月評」は読者と峠あかね、村岡栄一による「これが劇画だ!」。『悟空の大冒険』はこの号発売後に放映が開始されたらしく、出崎のコメント付き。手塚、永島、石森の連載にも自作解説的なテキストが付随。石森のものには永井豪らしきアシスタントが出演している。「ぐら・こん まんが予備校」にはその後の『COM』を決定づけた作家のひとりである岡田史子が初登場。『鉄腕アトム』放映終了に抗議する署名運動のニュースと手塚と虫プロ連名でのアトム終了コメントが掲載。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 人形劇」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『ドースン一家の記録』
『よろめき動物記』
ゲスト読み切り:
沼田清「ピエロと星」
山崎享「鉄線のはてに」
1967年3月号
「まんが月評」は「まんがブームの正体」と題して尾崎秀樹司会による編集者座談会。草森紳一「まんが家研究」連載開始。手塚治虫が当時のマンガ界の状況を強烈に批判した随筆「まんが賞の審査をして」が掲載。記事特集や「ぐら・こん いいたい放題」欄のコラムなどでの評論家峠あかね(真崎・守)のテキストやこうした手塚の批評的なテキストの存在が初期の『COM』のテイストを決定づけている。「まんが界ルポ」と銘打たれた情報ページ「まんがジャーナル」には当時の「まんがブーム」関連のニュースが多い。この号でまんがファングループ連盟の名称が、後半の読者参加記事ページのコーナータイトルと同一の「ぐら・こん」に決定した。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 青春裁判」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『フィルムは生きている』
ゲスト読み切り:
みやわき心太郎「つくしんぼう」
1967年4月号
表紙見返しの1コマ「漫画・まんが・マンガ・MANGA」が開始。やなせたかしが石森章太郎のジュンらしきキャラクターを描いていたりする。月例新人まんが賞の結果発表はこの号が第一回、選評は尾崎秀樹。全ページ掲載は入選作のみだが、選外佳作以下の作品も「ぐら・こん まんが予備校」でコメントつきで内容紹介はなされている。この号の佳作筆頭はのちに『博多っ子純情』で人気作家となる長谷川法世である。「まんが月評」は尾崎秀樹司会による大学漫研代表者による座談会「大学対抗まんが論」。巻末「どうじん」コーナーも大学同人誌特集である。大学漫研はこのあとも特集などのかたちで何度か『COM』紙上に取り上げられることになる。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 フーテン」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『フィルムは生きている』
月例新人入選作:
しみず・清志「さかなの涙」
1967年5月号
「漫画・まんが・マンガ・MANGA」はのちに表紙イラストを担当することになる和田誠。この号ではいきなり月例新人賞受賞という華々しいかたちで宮谷一彦が初登場している。編集部名義での選評も「有望な新人があらわれた」と冒頭から熱っぽい。「ぐら・こん まんが予備校」のほうでは長谷川法世が連続佳作入選している。尾崎秀樹の「まんが月評」は女性読者中心に少女まんがについて語り合う「少女まんがの現実」。尾崎はここに当時の少女マンガについてかなり辛辣な評言を書きつけている。巻末の記事ページに当時の著名人によるエッセイコーナー「まんがと私」が開始。初回執筆者は五木寛之、野坂昭如、サトウサンペイ、さいとう・たかをなど。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 フーテン」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』
月例新人入選作:
宮谷一彦「若者のすべて PART1 ねむりにつくとき」
1967年6月号
月例新人賞に入選作がなく、ゲスト読み切りもないため、連載以外は巻頭の「漫画・まんが・マンガ・MANGA」のヒサクニヒコとちば・てつやの1Pのコミックストリップ「今日も一日」のみ。「まんが月評」は尾崎秀樹司会のアシスタント座談会「アシスタントとその実情」。アシスタント時代の長谷邦夫や政岡稔也(としや)が出席している。チャートや年表で当時の児童まんが界を俯瞰的にまとめた峠あかね(真崎・守)による特集記事「まんが火山連峰」が非常に資料性が高く、必見である。「ぐら・こん まんが予備校」にはのちに『土佐の一本釣り』などで知られるようになる青柳裕介が初登場、2号に続き岡田史子も再登場している。「まんがと私」で寺山修司がまんが批判めいたことを書いているのも趣深い。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 フーテン」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』
1967年7月号
この号より表紙がイラストレーターの長谷川京平のイラストに変更。編集後記に「将来はスタインベルグのようなまんがを描きたい」という長谷川のコメントがある。創刊号以来の連載『悟空の大冒険』が終了。「まんが月評」は大伴昌司と少年誌各誌の編集長でピンポイントに「怪獣ブーム総まくり」するといういま見ると豪華な企画。記事特集はこれもいま読むと当時の出版状況がよくわかる貴重な資料「児童まんが家のデビュー地点を探る」。森田拳次のひとコマ連作が新連載。新人入選作は以後連載などレギュラーで登場することになるカートゥーン系の作家、中島宏治だが、「ぐら・こん まんが予備校」のほうには竹宮恵子が初登場している。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「シリーズ黄色い涙 青春残酷物語 フーテン」
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
出崎統『悟空の大冒険』(連載TVマンガ 虫プロ制作のアニメのコミカライズ)
名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』
月例新人入選作:
中島宏治「…殺し屋だ・Do」
(文責:小田切博)
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