研究科長挨拶

グローバルな視点に立った高度な公共政策プロフェッショナルの育成をめざして

グローバル・ガバナンス研究科長 博士(政策研究) 田中 秀明

グローバル・ガバナンス研究科長               博士(政策研究)                                     田中 秀明

 今日の世界は、グローバリゼーションにより、地球的規模の相互依存が深化していく真只中にあります。グローバリゼーションは経済発展による豊かさをもたらす一方で、生き残りをかけた競争的な過程において世界の不均等な発展ももたらしており、「世界がひとつに繋がる」という中立的な現象では必ずしもありません。貧困、格差、環境破壊、人権侵害といった一国だけでは解決できないグローバル・イシュー(地球規模の、国境を超える課題)の顕在化は、そのようなグローバリゼーションの負の側面として捉えることができます。国家の統治能力が相対的に低下していく中で、これらの課題を解決するためには、各国政府、国際機関、NGO、民間企業、市民社会といった異なるアクター間の協調による社会運営(=ガバナンス)が求められています。このような喫緊の人材育成ニーズに対応し、本研究科ではグローバル・イシューの解決に貢献できる高度な公共政策のプロフェッショナル育成をめざし、英語による博士後期課程(ドクター・コース)を提供しています。
 グローバル・イシューに挑戦する高度の公共政策のプロフェッショナルを育成するため、次の3つを教育の柱としています。
 第1に、学際的なアプローチです。本研究科は、「公共政策」、「国際開発政策」、「地域マネジメント」の三つのプログラムで構成されており、具体的には、行財政改革、分権化、貧困削減、持続的開発、開発経済協力、人権・民主化、地域開発、市民参加、危機管理といった世界が直面している課題に直結した重要かつ喫緊のテーマを取り扱っています。これら三つのプログラムを見てもわかるように、本研究科は既存の専門分野を横断的に関連づけていく学際的なアプローチをとっています。
 第2に、実践的な問題解決です。本研究科は、博士課程として、理論と分析に基づく研究能力を有する者を養成するものですが、更に、そうした能力を活用して現実の問題を解決できる実務家を育てることも重視しています。この点が従来の博士課程とは異なり、公共政策の研究者のみならず、政府、国際機関、民間、非営利セクターで働く高度なプロフェッショナルの育成をめざしている点が大きな特徴です。
 第3に、多様性の重視です。地球規模で急速に進行する人と人との交わりは、異文化間の新たな接触機会の増大と、それに伴うコンフリクトの可能性をも促しますが、そのコンフリクトをマイナスの側面で捉えず、接触が生み出す新たな価値創出の機会としてプラスの側面で捉えることが原点とならなければなりません。このことは、「グローバル」を冠に抱く研究科の運営にとって忘れてはならない前提であると思っております。異なる文化との遭遇は、従来の価値観に新たな展開を生み、そしてパラダイム転換の契機となります。また、そこに、多くの政策課題も生まれます。
 本研究科は、教員も学生も従来の固定概念にとらわれない視点で政策を科学する場を提供するものであり、政策のイノベーションに挑戦する皆さんを歓迎します。


 

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