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サントリー京都ビール工場を訪問







9月16日(木)、サントリー京都ビール工場 (京都府・長岡京市)を訪問し、施設の紹介とお話を伺ってきました。

(1) 組織・活動概要
サントリーホールディングス株式会社(以下:サントリー)は1899年の創業以来、ウイスキーやビール、さらには清涼飲料など、人々の日々の生活を心豊かに彩る商品を届けることを使命とし、常に価値のフロンティアへの挑戦を繰り返す、日本を代表する総合酒類食品企業である。今日ではその領域を更に拡げ、健康食品・外食・花など、多彩な事業を展開する企業グループとなっている。

2003年、サントリーグループは「人と自然と響きあう」をグループ企業理念として定め、お客様のニーズにもとづいて最高品質の商品・サービスをお届けするだけでなく、地球環境の保全にも努めている。さらには、さまざまな分野で社会貢献にも取り組み、真に豊かな社会の実現に貢献したいという理念のもと、よき企業市民として活動していきたいと考え、CSR活動にも積極的に取り組んでいる。

サントリー京都ビール工場は、このようなサントリーの企業理念の下、1969年にサントリービール第2の生産拠点として、歴史ある京都・長岡京市に開設された。環境と調和するビール工場を目指し、「リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者等表彰」において、2008年に内閣総理大臣賞を受賞している。

(2) 聞き取り調査
(質問:Q)1.サントリーの京都工場は、100%リデュース・リユース・リサイクルを行っていて、ゴミを出さない工場だとお聞きしました。いつごろから、京都工場はゴミを出さないという活動を行っているのでしょうか?

(回答:A)以前より、再資源化に向けた活動は行っていましたが、実績として100%再資源化を達成したのは1998年です。

(Q)水資源の保全や廃棄物の削減など、サントリー様はCSR活動を通してとても大きな社会貢献をなされていますが、逆に、CSR活動を通して企業内にはどのような影響があったのでしょうか?

(A)社員のCSR(環境)マインドの醸成につながるとともに、環境の時代における企業力の基盤強化になると考えております。具体的には、エコの要素や価値を取り込んだ商品・サービスの開発などはその一例と考えております。

(Q)他の企業や、NPO法人などと協働でCSR活動に取り組んでいますか?もし協働している企業や法人があれば、具体的にどんなところとパートナーシップを組んでいるのか教えていただきたいです。

(A)環境の分野で、現在、コラボレーション(協働)しているNPO、NGOなどはございません。これは、ただ単に資金を提供することで環境問題にアプローチするのではなく、社員自ら考え、社会問題を解決していきたいという想いから、このような形をとらせていただいております。

今後とも皆様にお喜びいただけるような製品づくり、企業活動に努めてまいりますので、一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

(3) 学生の感想
・再資源化率100%維持の取り組みの説明が印象的でした。工場の規模から考えて、全くゴミを出さずに稼働することは大変なことだと思う。前期に学んだ生物多様性の保全にも高い意識を配ったすばらしい企業だと思った。

・とても大きな企業なので、CSR活動において、NPO法人等とパートナーシップを組んでいないのは驚いた。パートナーシップを組まずにここまで大きなCSR活動を行い、さらにその成果をあげるのは素晴らしいことだと思う。しかし、CSR活動が急速に普及する今日、グローバルな視点でさらに成長するには、技術革新だけではなく戦略的なパートナーシップをとる必要があるようにも感じた。

・CSRビジョンの「水と生きる」という啓発活動からも分かるように、とにかく水の品質管理を徹底している点に驚いた。ビールの92%は水ということで、この水の品質を安定させることで素材のうまみが際立つという説明をされていたが、プレミアム・モルツを試飲させていただいて、それを実感することが出来ました。本当に楽しくサントリーの企業信念やCSR活動について学べたので良かったです。

サントリー様、お忙しい中インタビューに応じていただき、まことにありがとうございました。ご協力に深く感謝申し上げます。(作成:村田大夢)


実施日 2010年9月16日
実施場所 京都府長岡京市
担当教員 小関隆志