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1968年5月号

  他に読み切りとして宮谷一彦「若者のすべてPART2 街に雨が…」、萩村純忠「暗く長い夜」、山上たつひこ「遺稿」、永井豪「いざり市物語」。新人作品として掲載されている古川ますぞおは「まんだらけ」創業者、古川益三のPN。特集は手塚をはじめとする人気まんが家の赤本や貸本などで発表された入手困難な作品を紹介する「人気まんが家の初期作品紹介」だが、カバーの表記はなぜか「デビュー作紹介」になっている。別冊付録「ぐら・こん」がついた初めての号。創刊号から「まんが月評」をやっていた尾崎秀樹がなぜかゲストっぽく唐十郎といっしょに「まんがと私」に出ているのはなんだか変な感じがする。マンガ単行本ライン「虫コミックス」が立ち上げられたためその広告が初掲載。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
永島慎二『ステッキ親子』

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」

ゲスト読み切り:
山本まさはる「にいちゃんのばか」
月例新人入選作:
古川ますぞお「登場人物のいない漫画」(佳作一位)

1968年6月号

  矢代まさこが読み切り短編のシリーズ連載を開始。月例新人賞は入選作がなく、佳作の掲載もないが、萩村純忠「橋」、岡田史子「いずみよいずみ」、はせがわほうせい「新暦八九一年の皆既日食」と新人賞入選者の短編読み切りが充実。他に読み切りとして山上たつひこ「破局への招待」、中島宏治「お嬢さんお茶はいかが!?!」、樋口太郎「昼さがり」。記事特集は1967年6月号(6号)に続き「続まんが火山連峰」、まんが界の現況を前回のように児童まんがに限定せず、おとなまんがからアニメーションまですべて含めてチャートや図表を使って整理してみせるというおそろしい力技をおこなっている。尾崎秀樹の評論連載「笑い言語へのアタック」が開始。「まんがと私」には筒井康隆が登場、「まんがジャーナル」には酒井七馬主宰の『ジュンマンガ』刊行のニュースがある。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
永島慎二『ステッキ親子』
矢代まさこ「短編シリーズ 蝶々の泣いた夜」

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」

1968年7月号

  2号連続でキレのいい短編を発表した山上たつひこがSF長編を連載開始。新人賞はすでに1967年12月号「女流新人まんが家競作」で掲載されている竹宮恵子。「新鋭まんが家4コマ競作」として「サイケデリック」をテーマにしのだひでお、石井いさみ、永井豪、せいつねお、木崎しょうへい、はせがわほうせい、中島宏治が4コマを競作。他に読み切りとして飛鳥幸子「キリスト正伝」。特別企画として「つげ義春・岡田史子対談 マイペースで描こう!」というなかなかすごい(タイトルがシャレになっていない)対談が掲載。「ぐら・こん まんが予備校」では青春・実験まんがコースにのちの異能まんが家、福島政美が登場。「まんがと私」では星新一が一コマまんが収集について語っている。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
永島慎二『ステッキ親子』
矢代まさこ「短編シリーズ 歌うたう里子」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」

月例新人入選作:
竹宮恵子「かぎっ子集団」

1968年8月号

  特集として前号の4コマ競作に続き「ストーリーまんが家によるギャグまんが集」という変わった企画をしている。参加作家は貝塚ひろし、楳図かずお、桑田次郎、谷ゆきこ、石川球太、扉イラストはちばてつや。記事としては石森章太郎と小松左京の対談「ジュンを語る」、加藤謙一が『漫画少年』時代の手塚治虫を語った「手塚先生の思い出」、各地のまんが家やファン活動を紹介する「まんが風土記」での座談会「道産子まんが家大いに語る」(「板井れんたろうのアシスタント」として若き吾妻日出夫(吾妻ひでお)が出席)など。石森章太郎による辞典パロディ形式のコラム「章太郎のまんがSHO辞典」連載開始。読者ページ「ぐら・こんロビー」がこの号より見開き2ページに拡大している。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
永島慎二『ステッキ親子』
矢代まさこ「短編シリーズ 歌うたう里子」

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」
石森章太郎「いやんポコ」

月例新人入選作:
山田よし子「放浪画伯」

1968年9月号

  この月の月例新人は珍しく「児童まんがコース」ではなく「青春実験まんがコース」から、のちに少女誌で活躍するもとやま礼子。アメリカから帰国した永島慎二は旧作の再録ではなく2ページのコミックエッセイと峠あかねによるインタビュー「ダンさんのアメリカ旅行」で登場。前号に続き「ストーリーまんが家によるギャグまんが集」競作が掲載、参加作家は望月三起也、あすなひろし、佐藤まさあき、平田弘史、扉が川崎のぼる。単発読み切りとして永井豪「ラ・サムライ」。記事としては他に「ぐら・こん東京支部大会」のレポート「ぐら・こん東京支部大会のプロフィール」、アニメ版『鉄腕アトム』最終回をレポートした野田宏一郎「鉄腕アトムの死」。峠あかね、漫画太郎による「やぶにらみまんが月評」が復活連載。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ わが名はボケ猫」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」

月例新人入選作:
もとやま礼子「白い影」

1968年10月号

  まんがの特集企画として「異色新鋭8コマまんが集」として樋口太郎、永井豪、萩村純忠、中島宏治が競作(テーマ設定はない)。他に読み切りとして砂川しげひさ「市とペロペロキャンディ」、画力の向上著しいはせがわほうせい「白痴荘物語」。記事としては1968年2月号の手塚治虫に続き(?)峠あかねが『漫画サンデー』編集長峯島正行への公開書簡として「劇画ブームは斬れたか」という峯島が『中央公論』紙上に発表した文章への反論を発表。棚下照生の新連載「筆はシャベル」、峠あかねのエッセイとしてはじまり、まんが家の持ち回りコラムとなり、佐野美津男のまんが批評連載になっていた「いいたい放談」が佐野美津男編最終回。「まんがジャーナル」には小学館版「手塚治虫全集」刊行のニュースがある。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ クモの糸・3話」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫「黄金のトランク」

月例新人入選作:
宮村泰幸「秋秋秋…部屋」(佳作一位)

1968年11月号

  月例新人賞の神江里美はのちに叶精作らと「スタジオシップ」を結成、小池一夫原作作品で劇画家として大成する。読み切りとしてモンキー・パンチ「プレイ」、高沢フサ「モク&モク」、秋竜山「なんとやら裁判」、岡田史子「赤い蔓草」は二回分載の前篇。記事特集は力の入った「『漫画少年』のすべて」のパート1。峠あかねの解説、『漫画少年』で投稿欄の選評を担当していた寺田ヒロオのエッセイ、エピソード紹介や掲載作解題など充実した特集である。前号の峠あかねの公開質問状に対する峯島正行からの反論を掲載。「やぶにらみまんが月評」が斉藤次郎単独名義に移行。「いいたい放談」では峠あかねがいまでいう「誤読」論を展開しているが、これ以降この欄は本誌から消滅。他に藤子不二雄、石森章太郎、つのだじろうの東南アジア旅行記「ぼくらの東南アジアハプニング旅行記」。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ ここちゃん」
山上たつひこ『人類戦記』

月例新人入選作:
神江里美「弱虫卒業」

1968年12月号

  月例新人の居村眞二はのちに児童誌を中心にテレビ番組や小説のコミカライズで活躍。この号の新人賞は「テーマとしては児童ものに属すが、テクニック上実験ものに近い」としてどちらでもない扱いという異例の入選。読み切りとしては岡田史子「赤い蔓草」後編、樋口太郎の「もうやめてくれィ」。特集は「『漫画少年』のすべて」パート2。座談会、加藤謙一のエッセイ、同誌掲載作家、うしおそうじ、根岸こみち、田中正雄、つのだじろう、松本零士の作品をそれぞれ見開きでサンプラー的に掲載。単発の論考として筒井康隆「まんが・劇画論」を掲載。このテキストは筒井自身がこの後『漫画読本』で発表するまんが作品の予告編的な性格を持っている。「まんがと私」で平野謙が須山計一について熱く語っているのにちょっと驚いた。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ 5匹と2人の物語」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
居村眞二「破滅の時」

1969年1月号

  新年特大号、巻頭に綴じ込みピンナップとして「ジュンカレンダー」とまんが家サイン集。矢代まさこの短編シリーズは3回分載の第一回。読み切りとしてつのだじろう「つまんない」、なかじょうけんたろう「千年沢の万年雪」、岡田史子「夢の中の宮殿」、砂川しげひさ「盗賊」、樋口太郎「灰色の海」、関谷ひさし「けんか泰平」、ジョージ秋山「殺しのライセンス」、松本零士「幽霊世界」、永井豪「目明かしポリ吉」、萩村純忠「ソンブレロ」。特集は「'69年度まんが界への展望」、少年誌、少女誌の編集者座談会と峯島正行、清水文人のコラムによるまとめ。他にトリオ・アブノーマルによるコミックバラエティ「新春ハレホレQK室」、「まんが家諸先生に新年の希望を聞くと……」。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ シャボン玉」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』
石森章太郎『はるかなる国から来た少女』

月例新人入選作:
福田達雄「ワンダラー」(佳作一位)

(文責:小田切博)
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