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1969年2月号

  記事特集もなく、企画色の強い競作企画もない、純粋に連載と読み切りのマンガ中心につくられた「普通のマンガ雑誌」号。読み切りとして砂川しげひさ「アカンベーダー」、樋口太郎「回想」、青柳裕介「かたつむり」、あすなひろし「その日,ノース=ビルは,雪」、山根赤鬼「じんべえくん」。前号の「トリオ・アブノーマル」名義での作品に続き、「構成/長谷邦夫、え/太宰勉」の名義で赤塚不二夫、石森章太郎、手塚治虫、さいとうたかをら当時の人気マンガ家を劇中に登場させたコミックバラエティ「未来ハレホレ大学」掲載。「ぐら・こん まんが予備校」児童まんがコースにはデビュー前の泉谷しげるが「いずみやしげる」として登場。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』
矢代まさこ「短編シリーズ シャボン玉」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』
石森章太郎『はるかなる国から来た少女』

月例新人入選作:
畑田郎「本当にうまい酒」(佳作一位)

1969年3月号

  綴じ込みピンナップとしてのちの『ファニー』にあたる少女誌の創刊予告とともに、「日本児童漫画賞」の設立が「特報」として告知。選考委員には青島幸男、大宅壮一、岡本太郎、立川談志、筒井康隆など当時のメディアの寵児が名を連ねている。連載では山上たつひこ『人類戦記』がこの号で第一部完。山上のコメント「人類戦記不始末記」も掲載されている。石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』もこの号で休載。松本零士「幻想世界のアム」は表記はないが「4次元世界シリーズ」実質的な一作目。読み切りは樋口太郎「地下鉄」、池上遼一「野犬」、里中満智子「スギの恋」、前川かずお「デッカチーノ物語」、関一彦「牡蠣」、青柳裕介「求婚」。この号もコミックバラエティ「これがほんとうだ!? ハレホレ日本まんが史」があるが、長谷邦夫単独名義。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
矢代まさこ「短編シリーズ シャボン玉」
山上たつひこ『人類戦記』

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
池谷イサオ「ベートーベンの魂」(佳作一位)

1969年4月号

  長谷邦夫「パロディー劇場」とともに松本零士「四次元世界シリーズ」が正式に新連載。宮谷一彦『ライク ア ローリング ストーン』も新連載だがデビュー作以来の「若者のすべて」のシリーズ名が冠されている。読み切りは岡田史子「ピグマリオン」、樋口太郎「醒めない夢」、多田ヒロシ「ゴロンボス博士と赤ン坊たち」、東田健二「ドア」。第二回COM新人賞発表号で、記事特集はそれに合わせて小学館、講談社、文芸春秋の各まんが賞の受賞者リストとその是非論を組み合わせた「まんが賞その展望」というきわめて批評的な誌面構成になっている。まんが賞のほうの受賞者は青柳祐介ともとやま礼子だが、掲載時期が一年以上前だったためか青柳の作品「いきぬき」のみ再掲載。梶原一騎「わが原作作法」が終了。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
矢代まさこ「短編シリーズ 影を落とした」
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ 未完成」
長谷邦夫「パロディー劇場 ゲゲゲの星」

1969年5月号

  読み切りは二回分載の前篇、岡田史子「死んでしまった手首」、樋口太郎「鳥」、水野良太郎「叱られて」、はせがわほうせい「華麗なる廃墟」。記事特集は「少年ジャーナリズムの世界」というタイトルだが、実質的には出版社と編集者にスポットを当てた特集。表紙の表記も「まんがと担当記者」である。メインはルポ風の読み物だが、ヒット作の担当編集者に作品について語らせている囲みがジャーナリスティックでおもしろい。記事の新連載として「まんが家交友録」。「まんが風土記」では「ぐら・こん大阪大会」の模様がレポートされている。石井いさみの「愛のスケッチ」はこの号で終了。この号の発売に前後して姉妹誌の『ファニー』が創刊された。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
矢代まさこ「短編シリーズ セント・レニの街」
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ 第3生命帯」
長谷邦夫「パロディー劇場 バカ式」

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
やまだ紫「ひだり手の…」(佳作一位)

1969年6月号

  予告では「日本児童漫画賞」発表号のはずだが、紙面にはまったく記載なし。読み切りのうち青柳裕介「夢幻」、もとやま礼子「20歳の憲法記念日」は第2回「COM新人賞」受賞第一作としての掲載。他に樋口太郎「脱出」、岡田史子「死んでしまった手首」、ヒサクニヒコ「月の男」。記事特集として「少年ジャーナリズムの世界」パート2。まんが編集者、原作者、評論家についてアンケートをもとに構成。森田拳次のカートゥーン「森田拳次劇場 戦争と子ども」が新連載。小野耕世「海外まんが紹介」はちょっと他人には真似のできそうにない「外国まんがの集めかた」。斉藤次郎の「やぶにらみまんが月評」が最終回だが、7月号にも総括が掲載。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
矢代まさこ「短編シリーズ 熱・すすき・白い闇」
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ 蛍の青い火」
長谷邦夫「パロディー劇場 フーテン老人日記」

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
いがらししげき「白と黒の幻」

1969年7月号

  月例新人賞は居村眞二に続き、のちに『ガロ』などで活躍するやまだ紫が「両コースいずれにも該当しない」作品として入選。矢代まさ子の短編シリーズ連載がこの号で最終回。読み切りとして樋口太郎「男一匹」、井上洋介「リンゴ」(井上としては珍しいコマを割った短編)、村岡栄一「エトランゼ」、岡田史子「私の絵本」。記事特集は今後のマンガの可能性をテーマに識者コメント、座談会、草森紳一による総括で構成した「クエッション・マーク・まんが」。新連載としてマンガ家のデビューのきっかけを聞く「まんがを描きはじめたころ」。第一回は滝田ゆう。第二回「COM新人賞」の受賞コメントが掲載。尾崎秀樹「笑い言語へのアタック」が終了。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
矢代まさこ「短編シリーズ まり子の涙」
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ ヒミコの矢」
長谷邦夫「パロディー劇場 ルパン二世」

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
やまだ紫「鳳仙花」

1969年8月号

  読み切りとして楠勝平「よるが恐い」、樋口太郎「男と女」、鎌田忠春「まぶたのババ」、アメリカ西部の口承詩を翻訳したという体裁のあすなひろし「西部の唄」は二回分載の前篇、小幡堅「消えた武者」、岡田史子「邪悪のジャック」、青柳祐介「挑戦」。他に鈴木太郎、井坂克二、伊藤直樹、千葉督太郎、山県和彦、種村国夫というカートゥーン誌『エポック』参加者による競作もあり、この号は大人まんが系の作品に力をいれているかたちだ。記事特集は「キャラクター解剖学」の一回目。子ども調査研究所による調査資料を元にした人気キャラクターの傾向分析。小野耕世「海外まんが紹介」と藤子不二雄「マンガニカ」はともにマーヴルコミックスへの取材記事でアメコミ小特集を形成。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ みどりの国のマーヤ」
長谷邦夫「パロディー劇場 おそろち」

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

月例新人入選作:
あさのたつお、野原ぽち構成「福の小人」(佳作一位)

1969年9月号

  宮谷一彦『ライク ア ローリング ストーン』が最終回。最終頁に次号からの新連載予告があるがけっきょく載っていない。『ハトよ天まで』再録も最後。坂口尚「シリーズ霧の中」、やなせたかし『まんが封切館』が新連載。読み切りとして樹村みのり「おとうと」、あすなひろし「西部の唄」後篇、鎌田忠春「チュージの場合」、樋口太郎「ごきぶり」、阿部隆夫「丘の上物語」。この号も福田トシオ、河原崎弘司の『エポック』作家のカートゥーンを掲載。他に「第二回同人誌推薦競作集」としてかまたゆりこ、みなもと太郎、菅野誠、安達みつる(あだち充)の作品を掲載。石森章太郎、峠あかねによる同人賞選評も付随。記事特集は「キャラクター解剖学」二回目。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ さらば生命の時」
長谷邦夫「パロディー劇場 かかば斬るド」
坂口尚「シリーズ霧の中 おさらばしろ!」
やなせたかし『まんが封切館』

名作劇場:
手塚治虫『ハトよ天まで』

1969年10月号

  石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』、真崎・守『連作/こみっきすと列伝』が新連載。一話一話作者が異なる変則的な連載企画『トキワ荘物語』もこの号から。読み切りは関谷ひさし「つき」、飛鳥幸子「誰がためにベルは鳴る」、岡田史子「ほんのすこしの水 I 気のどくな乞食」は前篇、伊藤直樹「時刑」、村岡栄一「手紙」、やまだ紫「あれはわたしの」。記事としては池上遼一、大山学、勝又進、楠勝平、樋口太郎の若手マンガ家による座談会「われらの時代!」(尾崎秀樹司会)。この号から「ぐら・こん」がリニューアルされコース分けのない「まんがスクール」に。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
宮谷一彦「若者のすべて PART4 ライク ア ローリング ストーン (流れの木の葉のように)」
松本零士「四次元世界シリーズ 成層圏になくセミ」
長谷邦夫「パロディー劇場 ゴリラ13」
坂口尚「シリーズ霧の中 反転」
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
水野英子『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』

月例新人入選作:
ガンケ=オンム「セミ」

(文責:小田切博)
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