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1969年11月号

  連載は石森章太郎の問題作『サイボーグ009 神々との闘い』が本格始動。松本零士「四次元世界シリーズ」は休載。長谷邦夫のパロディ連載が宮谷一彦をネタにしていて凶悪である。読み切りは滝田ゆう「あいつ」、岡田史子「ほんのすこしの水 I 気のどくな乞食」後篇、矢代まさ子「ノアをさがして」、中島宏治「ギャング−ボス」、樋口太郎「シャボン玉」、旭丘光志「枯れた野末のちぎれ雲」。記事ページでは石森章太郎とそのアシスタントだった永井豪の師弟対談「まんがは技術+努力で勝負しろ!」が掲載。「ぐら・こん」にイラストの描き方指南コーナー「河原淳のイラスト教室」が新設。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
長谷邦夫「パロディー劇場 ライク ア エロチック コミック ストリップ」
坂口尚「シリーズ霧の中 しわ」
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
寺田ヒロオ『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』

月例新人入選作:
あさのたつお「ゴンジの爪痕」(第一席)

1969年12月号

  連載、松本零士「四次元世界シリーズ」、長谷邦夫「パロディ劇場」がこの号で終了。長谷作品は滝田ゆうのパロディなのだが、わざわざ滝田ゆうの読み切りの直後に掲載されている。読み切りはみやわき心太郎「二等船室」、滝田ゆう「朝の朝刊」、樋口太郎「フーテン・21時」、楠勝平「地獄」、青柳裕介「踏切」、楠は二回、青柳は三回分載。特集は「ギャグまんが論花盛り」と題し、草森紳一の司会で藤子不二雄、赤塚不二夫、長谷邦夫、園山俊二による座談会、すがやみつる、はせがわほうせいらの4コマを掲載。「まんがと私」に谷川俊太郎や湯村輝彦と並んで登場している新書館の社長、坂本洋子がえらい美人。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
松本零士「四次元世界シリーズ サレルヤの森」
長谷邦夫「パロディー劇場 椎名町奇譚」
坂口尚「シリーズ霧の中 神との賭」
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
藤子不二雄『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』

月例新人入選作:
ガンケ=オンム「ひとりぼっちのきつね」

1970年1月号

  前号で連載終了した松本零士、長谷邦夫がほぼ前作と似たような形式のシリーズで新連載。読み切りは楠勝平「地獄」、みやわき心太郎「パラパラパラ・・・・・・・・」、青柳裕介「踏切」、岡田史子「ほんのすこしの水 II 月の女」。記事特集は「火の鳥、その焦点」。尾崎秀樹、豊田有恒、結城建樹による作品解題、手塚治虫のインタビュー、用語解説などで構成した看板作品の特集ムックのような特集。単発記事ではこれまでと違い非常に地味な扱いで「'69まんが十大ニュース」が掲載。新人賞佳作の朝井克己はのちに松本零士のアシスタントを経てメカデザイナーになった板橋克己ではないかと思う。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
坂口尚「シリーズ霧の中 「…110よ」」
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
森安なおや『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 白鯨」
松本零士「無限世界シリーズ 新世界はむらさきの空」

月例新人入選作:
朝井克己「シバの女王」(第一席)

1970年2月号

  坂口尚のシリーズ連載「霧の中」が終了。読み切りとして楠勝平「空にて」、樋口太郎「ガード下」、青柳裕介の「踏切」が三回分載最終回、やまだ紫「九つの春」。特集「これがブラック・ユーモアだ!」は藤子不二雄、小野耕世の連載を巻き込み、長谷邦夫、秋竜山、池上遼一、ちばてつやといった児童漫画家から辰巳四郎、米倉斉加年、ヒサクニヒコ、マッド・アマノ、井上洋介といった現在ではイラストレーターとして扱われるような作家まで幅広いクリエイターがマンガを描き下ろし、全体の解説テキストを草森紳一が書いた大掛かりな企画。紙面デザイン的にもえらく凝ったことをやっている。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
坂口尚「シリーズ霧の中 『ミル』って名の娘についての事」
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
鈴木伸一『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 黒猫」
松本零士「無限世界シリーズ インパールの雪」

月例新人入選作:
渡辺展「紫陽花の記」

1970年3月号

  この号より『COM』編集部が虫プロ商事から独立、組織が再編成。読み切りは矢代まさ子「風のある絵」、青柳裕介「便所物語」、北野英明「白い墓標」、坂口尚「雪が降る」、やまだ紫「どじです」。記事特集は「写真とまんがの総合代理店」鈴木プロダクションの企画・構成による「情報化時代のまんが考現学 '70年代どんなまんががうけるか!?」。当時のまんが業界の状況分析記事だが、この時期鈴木プロは情報誌『まんがジャーナル』を刊行し、坂口尚の版権管理をおこなっていた。草森紳一「まんが考見録」、やまだ紫のイラスト詩「天空への詩」、鈴木プロ構成による作家別の作品リストが新連載。作品リストの作家は赤塚不二夫。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
永田竹丸『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 三銃士」
松本零士「無限世界シリーズ 古本屋古本堂」

月例新人入選作:
畑田郎「離陸」(第一席)

1970年4月号

  「第3回COM新人賞」発表号、受賞者はやまだ紫で受賞後第一作として「玉葱と人参」が掲載。特別座談会としてつのだじろう、赤塚不二夫、石森章太郎、長谷邦夫による座談会「新人は旧人を追い越すべし」、「ぐら・こん1969年度総決算」もある。読み切りは楠勝平「達磨さん達磨さん(略)」、あすなひろし「巣立ち」、北野英明「白い墓標」。他に「人類の進歩と調和」という万博のコピーをテーマに野原ぽち、小野マサヒロ、畑田郎による新人競作集が掲載。記事特集は「アンケート特集 60人のまんが家」。第一線の作家60人の直筆のアンケートを掲載し、斉藤次郎の解説を付したもの。作品リストは平田弘史。辻真先による「これがアニメーションだ!<基礎編>」がこの号より新連載。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
よこたとくお『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 変身」
松本零士「無限世界シリーズ 緑の環」

1970年5・6月号

  真崎・守の『こみっきすと列伝』が最終回。読み切りは大山学「オリエント急行」、樹村みのり「解放の最初の日」、青柳裕介「原点」、永島慎二「その周辺」は予定されていた新作が永島の入院により落ちたため旧作再録。記事では村岡栄一司会による座談会「'70年代にとびだした新人たち」。出席者は有川サブ、小野マサヒロ、ガンケ・オンム、畑田郎、やまだ紫。ニュースページ「まんがカワラ版」には力石徹の告別式開催の記述がある。作品リストは水野英子。「ぐら・こん ストーリーまんが教室」は入選も一席もないのに二席が三作掲載。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
赤塚不二夫『トキワ荘物語』
真崎・守『連作/こみっきすと列伝』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 西部戦線異状なし」
松本零士「無限世界シリーズ 無限世界のヤン」

月例新人入選作:
宮野かずみ「神様・このあわれな生き物を……」(第二席)
川上つや子「生と死のバラアド」(第二席)
御堂馨「海霧」(第二席)

1970年7月号

  編集後記に「今月も」手塚の『火の鳥』制作の遅れから発売が延びたとある(どういう雑誌だ)。久しぶりに手塚の名作劇場があるが、目次に記載がなく、これも『火の鳥』が予定枚数上がらなかったための窮余の策のようだ。また矢代まさ子「ノミの歌」も旧作再録。他の読み切りは宮谷一彦「霧中飛行者の嘆息」、大山学「CRUISING」、青柳裕介「気狂い部落」、村岡栄一「やさしい風景」。記事特集は編集部の企画・構成による「あの人はいま…」。取り上げられている作家はうしおそうじ、杉浦茂、武内つなよし、太田じろう、山根一二三、田中正雄。作品リストはさいとう・たかを。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『サイボーグ009 神々との闘い』
つのだじろう『トキワ荘物語』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 ライ麦畑でつかまえて」
松本零士「無限世界シリーズ ブーメラン」

名作劇場:
手塚治虫「夏草物語」
月例新人入選作:
かまたゆりこ「死んだもぐらののこしたものは……」(第二席)
まき・のむら「黒い旗」(第二席)

1970年8月号

  この号より手塚治虫が虫プロ商事の社長に就任。石森章太郎『サイボーグ009』が石森が『トキワ荘物語』執筆のため休載。読み切りは宮谷一彦「ならば僕は一ページ一時間でかいてやろう」、矢代まさ子「駄犬の目」、岡田史子「墓地へゆく道」、大山学「零の発見」、青柳裕介「雨が降る」、やまだ紫「しつもんがあります」。記事特集は草森紳一、石子順造、小野耕世による「まんがにタブーはあるか!?」。おそらく当時永井豪『ハレンチ学園』やジョージ秋山『アシュラ』、『銭ゲバ』などの作品が巻き起こしていた「マンガの悪影響」批判に対して組まれた企画だと思われる。小野のコミックコードについてのテキストはこれが初出か。作品リストはマンガ家として活動するために渡米したことが話題になっていた森田拳次。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
やなせたかし『まんが封切館』
石森章太郎『トキワ荘物語』
長谷邦夫「盗作世界名作全集 異邦人」
松本零士「無限世界シリーズ 枯木霊歌」
中島宏治(ZABOW)「ザボウの世界」

月例新人入選作:
青野正季「十八歳」(第一席)

(文責:小田切博)
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