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1971年7月号

  藤子不二雄「白い童話」が終了。巻頭一コマ「漫画・まんが・マンガ・MANGA」がイラスト寄りの「まんが歳時記」に変更。前号で予告されていた永島慎二の『漫画博物誌』がこの号より新連載。読み切りとして永井豪「やっこらショ」、政岡としや「どゥりィむ」、川崎のぼる「初夏」、黒鉄ヒロシ「まこと君のクソおやじ」、上村一夫「初恋漬」、大内初実「はるちゃんの肖像」。記事特集として「ぼくもわたしもまんがっ子」と題し、やなせたかしを司会にまんが好きの中学二年生を集めた座談会を掲載。ニュースページはけっきょく「まんがカワラ版」に戻り、他に記事としては「まんが家探訪」が本宮ひろ志でひさびさの復活。「ぐらこんロビー」で草森紳一が前号の草森名義のコラム「まんがに於ける抒情性」が取材記事であって自身が執筆したものではないことを抗議している。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
藤子不二雄「白い童話 禁じられた遊び」
永島慎二『漫画博物誌』

月例新人入選作:
雑賀陽平「我らの時代 われらは如何にして生きるか」(準入選)

1971年8月号

  「失われた世界」というテーマで公募した作品を「新人競作集」として掲載しているため通常の月例新人賞はなし。競作集掲載作家はいとうあきお、真理亜唐須、にしざわ大、廣井哲夫。マンガ、記事を連動させた「SFまんが特集号」。松本零士「空間機甲団」、桑田次郎「十日間の超能力」、坂口尚「いちご都市」、川本コオ(あすなひろし原案)「難破船」、村野守美「天使野郎」、岩本久則「砂」、ハタ大輔「ないちゃいけないヨ」、石原春彦「ラーメン死都」と読み切りがSF(及び奇妙な味)の作品で固められている。記事も小野耕世「海外まんがの世界」が増ページで特集に組み込まれている他、年表と須山計一、斉藤守弘による解説テキスト、小松左京のショートショートを掲載。「まんがと私」は『フクちゃん』連載終了にちなみ横山隆一インタビューと伊藤逸平、長谷川町子らのコメントで構成。「まんが家探訪」はもりたじゅん。「ぐらこんロビー」には亜庭じゅんの『COM』リニューアルへの批判文が掲載されている。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二『漫画博物誌』

1971年9月号

  村野守美『ほえろボボ』が異様に力の入った美麗なカラー頁スタートで連載開始。この号の特集は「学園・生活まんが大全」で、ヒット作とそのキャラクターたちを集めた巻頭グラビア企画「学園まんがの英雄たち」にはじまり、みやわき心太郎「よじょう」、宮谷一彦「夕凪船長」、樹村みのり「おねえさんの結婚」、小山田つとむ「さすらいのタダ吉ちゃん」、あだち充「なかよしの詩」とテーマに即した読み切り短編を掲載。記事としても佐野美津男、阿部進による解説を付した年表で戦後の学園・生活まんがの歴史を振り返り、作者アンケートによって現状を確認する「学園まんが大全」(なぜか記事タイトルからは「・生活」が落ちている)を掲載。少年小説の人気作家、山中恒によるショートショートもある。「ぐらこんロビー」では前号掲載の亜庭じゅん投書に対する反論祭状態。亜庭の批判に対する反論、COM擁護的な意見が多い。
連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二『漫画博物誌』
村野守美『ほえろボボ』

月例新人入選作:
天風太郎「キツネの新左」

1971年10月号

  連載では村野守美『ほえろボボ』が休載、村野の事情説明のテキストがある。新人賞入選作は7月号の準入選作に続き、さいがようへい(雑賀陽平)で安定したクォリティーが評価され今回は入選になっている。まんが、記事連動の「少女まんが特集号」。マンガは矢代まさこ「うそつき鏡」、上田としこ「目的」、萩尾望都「10月の少女たち」、まきのむら「暗い部屋の中で」、あいかわ桂「悪霊」。辻真先、神保史郎による解説、上田としこ司会、もりたじゅん、一条ゆかり、竹宮恵子、萩尾望都、まきのむらによる座談会で構成。他にも恋愛小説家、佐伯千秋のショートショートが掲載され、連載では小野耕世「海外まんがの世界」も女性向けマンガをフィーチャー、「まんが家探訪」も里中満知子である。読み切りとしては他に山上たつひこ「明日はお嫁に」、初期連載のエピローグである石森章太郎「想い出のジュン」、南泉寿「泉寿劇場」。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二『漫画博物誌』

月例新人入選作:
さいがようへい(雑賀陽平)「われらの時代」

1971年11月号

  「ぐら・こん ストーリーまんが教室」は通常の入選作発表とともに第二回公募競作集「ぼくの命はあと一分」が発表。掲載作家は吉富建二、冬霞鹿、P・本田、真理亜・唐須。読み切りまんがは「時代まんが」特集。あすなひろし「桔梗」、黒鉄ヒロシ「源氏源氏物語」、楠勝平「やすべえ」、雑賀陽平「とのおー」、白土三平の旧作再録「傀儡がえし」、解説テキスト「戦後時代まんがの歩み」(無署名)。他に中田耕冶による時代物ショートショートも掲載。特集外の読み切りは宮本ひかる「命燃ゆる海」。「まんが家探訪」は芳谷圭児。「まんがカワラ版」には「第一回まんがフェスティバル開催」、「ぐら・こん地方版」には「『マンガジュマン』発行にあたって」という二つの記事があり、「ぐらこんロビー」にも編集部からの苦渋のコメントが掲載されているなどのちのコミックマーケットにつながる流れを垣間見ることができる。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二『漫画博物誌』
村野守美『ほえろボボ』

月例新人入選作:
桃田しず「おかしなおかしな物語」

1971年12月号

  実質的な第一期休刊号。翌月からタイトルが『COMコミックス』に改められ事実上新創刊されるが、リニューアル予告はP212に「COMの新しい夜明け」という一頁広告があるだけでタイトル変更の告知すらない(編集後記を読むと社内的に何かが起きていたことはよくわかる)。テーマ特集は「ファンタジー」で、水木しげる「招かれた三人」、樋口太郎「街」、政岡としや「赤い風船とんでった」、岡部幸一「ぼくのおもちゃ箱」の読み切り4作が掲載されているが、清水哲男の解説、阿刀田高のショートショートを含め、現在とはファンタジー観が違う。「剣と魔法」ものはなく、いずれも幻想文学やホラー的な世界を描いた作品である。読み切りとして他に樹村みのり「こうふくな話」。「まんが家探訪」は大和和紀。「ぐら・こん コミックスクール」準入選作に能条淳一(能條純一)がいる。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二『漫画博物誌』
村野守美『ほえろボボ』

月例新人入選作:
森山朝子「あきら」(準入選)
たかしなみつゆき「ちいさな日記」(準入選)

1973年8月号

  『COM』から『COMコミックス』への変更は紙面刷新であって連載マンガの引き継ぎなど雑誌としては継続したものだったはずだが、なぜか73年2月の『COMコミック』5号で「休刊していた『COM』の復刊」が予告(いつ休刊したんだ?)誌名を『COM』に戻して再創刊された号。巻頭には編集部からの「復刊にあたって」、手塚も「読者のみなさんへ」で「復刊」をアピール(虫プロ倒産でこの号が最終号になるのだが)。村野守美、永島慎二、『火の鳥』の連載は71年12月当時と同じ顔触れ、名作劇場での過去作再録、ニュースページ「漫画瓦版」、石子順、斉藤次郎による評論掲載など紙面も原点回帰志向が強い。読み切りは斉藤博「どかんち一家」、水木しげる「コマ」、中山蛙「かわうそ天国」、みやわき心太郎「あたたかい朝」。

連載:
手塚治虫『火の鳥』
永島慎二「まんが童話 おに」
村野守美『トランペットボーイ』
名作劇場:
手塚治虫『火の鳥』(漫画少年版)
白土三平「鬼」

月例新人入選作:
加藤広司「女の中の男一匹」
野辺千恵子「トントンの冒険」(佳作)


(文責:小田切博)
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