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第10回 (2005.11.1) |
岡本 通武 さん (岡本通武 税理士・行政書士事務所 所長) |
1969年 商学部 商学科 卒業 1971年 大学院 商学研究科 博士前期課程 修了 1974年 大学院 政治経済学研究科 博士前期課程 修了 東京税理士会広報室委員、東京税理士会会員相談室面接相談委員、東京都行政書士会 中野支部支部長 |
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今年還暦を迎えた私にとって、明治大学が母校であるということは心の支えでありました。
明治大学に入学して間もなく、大学紛争があちこちの大学で起こったため、学生は学生としての本分を忘れ、イデオロギーの闘いに明け暮れていました。そんな中でも、数名の仲間達と、明治大学になぜ入学したかを話し合ったことがありました。仲間達は全員、「この大学はひたすら努力すれば必ず報われる」という校風があることを信じて明治大学へ入学したと話してくれました。
私の仲間達は、税理士試験や公認会計士試験に合格するために経理研究所などの会に入って、それぞれの目標に向けて頑張っていました。今は分かりませんが、当時は深夜も開放されていた自習室があり、多くの資格取得のための受験をめざす学生たちがそこを利用していました。
特に私を大学院へと駆り立てたのは、当時経営経済学の授業を担当されていた佐々木教授との出会いでした。教授は片方の手も思うように動かず、黒板に字を書く事もままならず、しかしそれでも沢山の書物を読破し、その内容を学生に丁寧に説明してくださいました。この教授に出会ったことが、単なる「勉強」というものから「学問」そして「研究」ということへの興味へとつながり、明治大学から大学院へ進むことを決意しました。
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そして、大学院ではマーケティングや財政学を専攻し、数多くの外国文献を読むことができました。また、この時シカゴ大学のウィリアムシャルツ教授と手紙のやり取りが出来たことも大学院時代の良き思い出です。
明治大学を目指す方々や、在校生の方々に私の言いたい事は、明治大学には「宝物」が山ほど隠されていることを知って欲しいし、その「宝物」は自らの努力で手に入れることが出来るということです。
現在、私は東京税理士会会員相談室で、多くの税理士の先生方からの相談を受けております。昨今の日本はとても社会的、経済的変化が激しいため、絶えず勉強しなければ時代のニーズに応えることが出来ません。明治大学、大学院を通じ、問題に対する処理の仕方や方法論を学んだことが、社会へ出てから多いに役立ちその結果、税理士、会計士の先生方や顧問先の方々の多く問題に応えることが出来るのだと確信しております。
皆さんも、ショートタイムで物事を考えるのではなく、目標をもって、是非明治大学で大いに勉強してください。それは、きっと皆さんの糧となり、人生の礎となることを信じてやみません。
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