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第22回 (2007.11.26) |
山本 秀一 さん (中外製薬株式会社) |
1995年 商学部 商学科 卒業 |
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私は、労務管理を学ぶゼミに所属しており、卒業論文は「高杉晋作のリーダーシップ」というテーマに取り組んでまいりました。10数年前のことですので、懐かしさもあるのですが、そのことについて触れていきたいと思います。
高杉晋作は、言わずと知れた、幕府の倒壊と時代変革に青春のすべてを賭けてきた幕末の志士です。何故、彼が27年8ヵ月という短い生涯の中で、奇兵隊を創立し、倒幕という目的を達することができたのか?(本人は倒幕の直前に生涯を終えておりますが。)簡単に結論を出せる問題ではありませんが、「晋作自身のなにものをも恐れない勇気と緻密な頭脳からしぼり出された周到な計画をもって、瞬時に決断することができた性格」「そのような能力あるものを受け入れることが可能であった長州藩の組織のシステム」「日本全体が多様の可能性を示す変革の時期にあった」という3点については挙げられると思います。
おかれている環境は異なりますが、当時もここ最近も「変革」がキーワードになっております。そのような時こそ、過去に功績を遺してきた人について書かれている本を読んで、今の自分ならどのように活用できるか、を考えてみてはいかがでしょうか?しかし、偉そうなことを書いてはみたものの、いざ自分を振り返ってみると、学生の頃から社会のために役に立ちたいという漠然とした思いはありましたが、それでは自分は何をすれば社会に役に立つことができるのか?ということについては、就職先を決める直前までは正直なところ分かりませんでした。
結局、人々が生きていくうえで一番の根源となる、“生命”に関連する企業で働くことで、人々に貢献できるのでは?という考えにたどり着き、今の就職先を選択しました。しかし、本当の答えは、今も分からないのかもしれません。
ただ言えることは、何事にも思いをもって取り組んでいけば、決して無駄にはなりませんし、実はどこかで誰かの役に立っているということもあります。入社間もない頃に、あるドクターから抗がん剤の副作用についての相談を受け、これまで、そのドクターの処方経験がなかった当社の薬剤の情報を伝達し、患者さんのために一緒になって考えていったことで、一命を取り留めたという経験もさせて頂きました。
最後になりますが、みなさまに贈るメッセージとして、誰もが様々な可能性を秘めた道を持っています。その道を拓いていくためには、今、目の前にあるミッションをひたむきに、ただ近視眼的にならずに取り組んでいくということが大切だと考えています。
それでは、これを読んでくださった方の今後のご活躍をお祈りいたします。
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