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第28回 (2008.6.14) |
橋口 隆二 さん(明治大学財務担当常勤理事) |
1963年 商学部 商学科 卒業 |
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論語「知好楽」の精神
政界は、日米安全保障条約を巡り、財界では、高度成長の獅ノついた激動の1959年偉才の教授陣を擁した明治大学商学部へ入学した。正直、商学部とは、どんな分野を研究する学部かも判からず入学した。三年より専門課程に進学すると、経済論、会計論、金融論、物流保険論、そして、マーケティングと、その巾の広さに感服した。 卒業後35年間、上場企業及び関連業界団体の役員、また関係省庁管掌の財団の理事、そして大学の係り等経験出来た事は、明大在籍時の「学びと遊び」の結果と痛感しているところである。
時は流れ、人心は、物による満足よりも心の充足を求める時代に入った。その頃日本のコンテンツ産業の牽引となった「テレビゲーム」に遭遇した。そしてエンターテインメント産業に身を置く事になった時、明大商学部の四年間が役立った。新規産業であるが故、業界発展に必要なあらゆるノーハウを確立する事が、不可欠と考えた。先づ、マーケティングに基づく製品企画、確実で安全な生産様式と納期の保証(生産品質管理と物流保険論)、そして低コストの実現と高収益の獲得(金融会計論)等、不十分ながらもこの仕組みを明大商学部の教えの結果作れたと自負している。
この足跡を鑑み、明大の学問は、実学だったと思わざるを得ない。
ここで学生諸君へ、勉強・仕事を始め、何をするにも MUST(やらねばならない)では無くWILL(やりたい)の精神を忘れずに事に当たって欲しい。また、論語の一節に「此れを知るものは、此れを好むものに如かず。此れを好むものは、此れを楽しむものに如かず」と言うのがあります。判り易く言うと「此れ」を、学問・仕事に置き換えてみると、学問を極める・仕事をするのは、それを知ろう(やろう)とするよりも、その学問・仕事が好きでやる方が、ずっと効果的で、更には好きでやるより、楽しんでやる方が、学問や仕事の成就は早く完成すると言っていると思います。
人生は長い。どうせやるなら、WILL MINDで、そして「知好楽」を忘れずに。「楽しくなければ 人生じゃない」と。結果は、己で判断して下さい。
大学を取り巻く環境は、少子化時代を迎えて、激変しています。明治大学も時代に対応し変革しております。学生諸君も自己実現に向けて進んで下さい。
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