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地学部・地理研究部合同 富士山巡検

2023年11月11日

  • 中・高
  • 班・部活動

地学部と地理研究部では、11月1日の明治大学創立記念祝日に富士山巡検を行いました。今回は「富士火山ハザードマップを歩く」というテーマで、北口本宮浅間神社や本栖湖などを巡りました。その模様を、地学部の安田さん(高3)と菊池さん(高3)にレポートしてもらいました。

北口本宮富士浅間神社

吉田口登山道の入り口にあります。富士山を信仰対象とする「富士講」という文化があり、この神社は富士講の聖地とも言えます。
 
〈見どころ〉
○ヒノキ 【写真①】
高さは推定15~20mです。胸の高さで幹の直径(胸高直径)を見るとおおよその樹齢がわかります。これにより、このヒノキは大体江戸時代のものと推測できました。
○御山神輿 【写真②】
赤い富士山型をしており、毎年8月26日・27日に実施される「吉田の火祭り」の際には、この神輿が街中を練り歩きます。

船津胎内樹形

富士山により流出した溶岩が森の倒木に流れ込み、高温で木が燃えて空洞ができた洞穴です。937年の噴火に伴う剣丸尾溶岩流が生み出した洞窟「溶岩樹型」の一つと言われています。洞穴自体がお母さんのお腹(胎内)のように見えることから、富士山に登る前にそこに入って出ることで「生まれ変わり」の場所として信仰されていました。

〈洞窟の中の壁〉
一度固まった溶岩の内部が高温になり、再び溶けて垂れた「再溶融」という現象により、中はテカテカしてあばら骨のような模様になっています。また、床にはチューブで絞り出したような溶岩があり、ハワイの人たちはこれを「パホエホエ溶岩」【写真③】と呼んでいました。

青木ヶ原溶岩

厚さは大体3mほどで、とても規模が大きく、かの有名な青木ヶ原樹海はこの溶岩の上にあります。富士山で起きた大きな噴火のうち、平安時代に起きた貞観大噴火によってできました。

本栖湖

現行の1000円札の裏側の絵柄のモチーフとなった場所です。平安時代の延暦噴火により、元々あった「せの海」と言われる湖が埋め立てられ、現在の本栖湖【写真④】ができました。


 今回の巡検では、富士山によって作られた街や自然などを実際の目で見ることができ、今まで以上に自然に対して畏怖の念を抱きました。晴れた日には学校からも見ることのできる富士山ですが、近い将来に噴火するかもしれないと言われています。実際に現地で過去の噴火の様子を身近で見ることができ、富士山が噴火した時に備えて日頃から防災・減災への意識を高めていくことの必要性を感じたとともに、ハザードマップの重要性を改めて感じることができた貴重な経験となりました。

写真① ヒノキ

写真② 御山神輿

写真③ パホエホエ溶岩

写真④ 本栖湖

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