トピックス

ニュース

探究選択での取り組み(美術探究、音楽探究、書道探究、家庭探究)

2024年03月14日

  • 高校
  • 教育・進路
 2023年度の明治高校2年生は新カリキュラムの第1期生となります。このカリキュラムでは、これまで高2通年で行われていた高大連携講座が高2前期と高校3後期に分割され、高2後期と高校3前期の水曜5・6時間目は「探究選択」という科目が設定されました。
 この科目では、生徒は13の科目から自らの興味・関心に基づき一つの科目を選び、探究活動に取り組みます。今回は、そのなかから技芸系の4科目(美術、音楽、書道、家庭)の取り組みを簡単に紹介します。

美術探究

美術探究では表現の幅を広げ、自分のコンセプトに基づく作品制作を行いました。普段の美術の授業では技法や表現方法はある程度共通していますが、探究選択では、一人ひとりの生徒がテーマに対して独自のコンセプトを設定し、それに基づく表現を追究しました。
 授業で設定されたテーマは「リンゴ」。これに対して、様々な作品が制作されました。例えば「赤い皮をまとう青いリンゴ」の作品では、マイナーな青いリンゴがメジャーな赤いリンゴにあこがれて赤い皮をまとう姿を描いています。この作品のコンセプトには、人間も同じように、自分の本来の姿に目を向けず、世の中でもてはやされる見た目にこだわりすぎているのではないかという鋭い問題提起が含まれていました。探究活動を通して、自分にしかできない、自分らしい表現とは何かを追究してくれたと思います。

音楽探究

 

音楽探究では、2つの課題に取り組みました。個人で取り組む課題では、自分の好きな作品から3シーンを選び、それを映画にしたときにどんなサウンドトラックをつけるかを考える課題でした。事前にサウンドトラックのある映画を見せて、各自に構想を練ってもらいました。5名の生徒はぞれぞれの視点から小説作品を選び、取り上げた楽しいシーンや悲しいシーンなどに合わせたオリジナルの曲を楽譜に書き起こしていき、最終的にレポートの形で提出しました。中には、アンサンブル・スコアの素養がなかったにも関わらず、あえてそれにチャレンジする意欲的な生徒もいました。

もう一つの課題は5人で協働して一つの作品を作り上げるというものでした。明治中学3年や明治高校1年「芸術選択」の音楽ではバンドに取り組んでいます。その発展として取り組まれた課題です。5人はMrs. GREEN APPLEさんの2曲を選び、自分たちなりに編曲してつなげ演奏しました。録音した演奏のサウンドバランスなどを自分たちで調整しながら、最終的に一つの作品として完成させました。

 

書道探究

 書道探究では、文字の文化・歴史に触れたり、体験したりすることを目指しました。具体的には、高校1年芸術選択の書道から発展して、そこでは使わなかった字体やサイズの作品を制作しました。また、その間にペン字を使った基礎的なトレーニングや、年始には「龍」の色紙を思い思いの字体で制作するといった取り組みも行いました。
 高1芸術選択の書道では、半紙に楷書や行書の文字を書くのが中心になります。選択した生徒が4人という小人数だったこともあり、半折(はんせつ)や聯落(れんおち)といったより大きな作品を制作しました。半紙に比べて、もっと大きな視点が必要となり、高度な技術が求められます。授業のなかで多様なサイズや字体(草書・隷書など)の作品に挑戦することで、生徒たちの技術が向上したことはもちろん、「隷書の作品を聯落でやってみたい」といった意欲的な申し出があるなど、生徒たちの探究心も刺激された様子でした。

 

家庭探究

 家庭探究では、探究の土台として、三つの方法を学びました。一つ目に、学食で提供されているメニューの栄養を分析し、栄養バランスを考えた健康的な献立を考えました。二つ目に、自分たちで材料を混ぜ合わせ、オリジナルのジュースを制作するという課題です。この時、甘みやフレーバーも自分たちで調整することで、加工食品とはどのようなものかを実践的に考えました。三つ目に、食品中の成分を抽出するという実験を通して、食品にどのような栄養素が含まれているかを分析しました。

これらの方法を基にして、各自が実習もしくは実験を行い、その成果をパワーポイントスライドにして発表しました。別途、毎回の授業では、栄養素について各自が調べた成果を発表し、その成果をまとめた栄養素ブックも作成しました。最後の授業では、各自が考えた課題研究の中から、スポーツ栄養(鉄分補給)や朝食で手軽に栄養が摂れるパン作りをテーマに全員で調理実習しました。

 

関連トピックス