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【明治MBA】International Week in Lisbonへの参加報告

2023年10月06日
明治大学 ビジネススクール

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講義風景1講義風景1

講義風景2講義風景2

昼食風景昼食風景

明治大学ビジネススクール(グローバル・ビジネス研究科、MBS)は、ポルトガルのAESEビジネススクールと共同で「International Week in Lisbon」(山口不二夫教授)を実施しました。International WeekはMBSにおいて学生の国際感覚を涵養するため設置している「グローバル・ビジネス研究」という授業科目の一環として実施しています。

2018年にMBSが国際認証EPAS(現:EFMD Accredited)を取得したことを契機として、2020年7月にポルトガルの権威あるビジネススクールであるAESEビジネススクールと覚書を締結し、学生の相互交流プログラム(International Week)を実施することを決定しました。2021年度はコロナ禍下でありましたが、MBSの学生8名はオンラインで参加しました。2022年度は9月にMBSの学生9名をポルトガルのAESEビジネススクールに派遣、10月から11月にかけてAESEビジネススクールの学生27名を本学で受け入れ、MBSの学生とともに研修を行い、2023年度はNew YorkでAESEビジネススクールの姉妹校のIESEビジネススクール・ニューヨーク校でのInternational Week in New Yorkに5名の学生が参加しました。

<International Week in Lisbon at AESE Business School, Portugal>
2023年9月6日(水)~9日(土)
今回は8月5日にオンライン上で結団式を行い、昨年度のリスボンでのInternational Week(以下、IWと略称)の参加学生にも出席を願い、昨年の実施状況、事前にどのような学習を行ったらいいかの報告と質疑応答を行いました。本講座は基本的にAESEビジネススクールの提携ビジネススクールであるスペインのIESEビジネススクールの3人の教授によるケースメソッドで行われます。ケースメソッドとは実際の企業において発生した経営レベルの課題について、その意思決定のあり方や具体的な解決方法について履修者の間で討議を行い、企業経営を疑似体験する教授法です。昨年はケースメソッドの事前学習を行いましたが、教授によってそのやり方は大きく異なるので、先輩の話を伺い、その上で事前学習を自主的に行う方法に変更しました。その結果、主となるケースをじっくり完全に読み込み、重要点と問題点、自分の立場からの解決方法を考えておく、さらに自主的に勉強会を組織して資料の内容を話し合っておくことが重要であると結論し、学生たちは事前の勉強会を何回か組織しました。

9月6日からは、MBSから8名の学生をポルトガルのリスボンにあるAESEビジネススクールに派遣し、同校のExcelling in Leadership Executive MBA Intensive Week Programmeの履修を通じて積極的な議論を行いました。参加者は他に、オーストリアのドナウ大学から15名、ポーランドのクラカウビジネススクールから8名、AESEビジネススクールの学生が41名の総計72名でした。MBSからの参加者は留学生を含め国籍は日本、中国本国、台湾、韓国と東洋として多様性があり、現代のビジネスで重要視される多様性に富んだ構成で、AESEからも歓迎されました。このAESEビジネススクールの姉妹校のIESEビジネススクールの教員も兼ねる3人の教授により、3つテーマについてケースを用いた学習を行いました。72人の参加者は36人ずつ2つのグループ1と2にわかれ36人ずつでケースを授業を受けます。さらに各グループは4チームにわかれ合計8つのチームに、日本からの参加者は分かれました。

[DAY1]
AESEビジネススクールの建物は4階までの吹き抜けになっており、1階の奥は食堂になっています。昼食休憩は1時間15分とられていて、ワインを含めたポルトガル料理とスイーツが振舞われます。IWはまずポルトガル流の豪華な昼食から始まります。半地下のゼロ階は、半円形の講堂になっており、そこでAESEビジネススクールの研究科長の挨拶、参加ビジネススクールのプログラム担当教員の挨拶が行われました。明治の挨拶の時は、引率教員の挨拶の中でMBSから参加した8人のsamuraiとして学生全員が立ち上がりひとりひとりが挨拶を行いました。グループ1と2は同じ内容ですので、ここではグループ2の実施内容について具体的に記述します。
15時から19時半までIESEビジネススクールの教授でもあるSebastian Reiche教授によって、グローバル企業において多文化が共生する中でのリーダシップについて学習しました。韓国企業のケースを用いて国際化により企業に多文化環境が生じ、組織内の人々の管理にこれまでなかった問題が生じます。その際の国際的な役割分担を効果的に管理する方法についてケースをもとに議論を行いました。
このIWでは必ず午前と午後にコーヒータイムが30分とられ、1階の食堂で教員を交えた全生徒が歓談します。美味しいケーキが数種類、時にはサンドイッチも出され、話も弾みます。
[DAY2]
2日目午前中は、前日に引き続いてSebastian Reiche教授によるグローバルリーダシップの学習です。日本市場におけるHaierの事例が選ばれ、日本の事例ということもあり、また英語に慣れてきたこともあり、日本と中国からの学生が活躍しました。午後はJoaquim Vilà教授によりデザインシンキング(DT)の学習を行いました。DTとはどのような発想に基づいて行われるか、DTの適用において卓越した企業であるIDEO社で実施されたプロジェクトに基づいて学習しました。その後ペルーの大手映画チェーンである Cineplanet のケースを用いて、 IDEO社がどのようにデザインプロセスを展開したかについて学びました。17時に講義は終了しました。
[DAY3]
午前中は、前日のDTの学習の続きを学習しました。SAPのケースを用いて十分に討論が行われました。午後はさらに企業戦略においてDTが不可欠であること、さらにトップマネジメントにおいてDTの発想にその企業の命運がかかっていることを、様々に事例を通じて討論し、学習しました。16時からはやはりIESEビジネススクールの教授でもあるPedro Videla教授により、マクロ経済学と社会経済史の視点からグローバル・トレンドについて学習しました。まず、70年以上の長期にわたる豊富な統計とグラフを用いて、世界経済のトレンドについて学びました。気候変動問題についての各種統計や近年のウクライナ戦争によるサプライチェーンの変化なども議論されました。17時の講義終了後、ディナーパーティーが開催され、懇親を深めました。
[DAY4]
前日に引き続いて、Pedro Videla教授による学習がおこなわれました。前日に学習したグローバル・トレンドの中で、ビジネスストラテジスト、組織のリーダー、および企業のCEO 、政府の役割について議論を行いました。ビジネスのグローバル化、既存のビジネス慣行を混乱させる新しいビジネスモデルの出現、パンデミックの発生、気候変動による自然災害、ウクライナ戦争、中国と米国の対立など、現在のビジネス環境は、常に新たな課題にさらされていまし。各企業は環境的に持続可能で、かつ社会的責任のある方法で経済的価値を生み出すという課題に対して、いかに取り組むべきかについて討論しました。
最期にAESEのプログラムディレクターの挨拶があり、参加者に修了賞が授与されました。
今年度のIW in Lisbonの講義内容は教授陣は昨年と同じでしたが、各種統計やパンデミックの事例などは追加や改訂がされており、非常に充実した資料が提供されました。その上で、世界史的なワールドトレンドの視点で、地政学的リスクや気候変動問題に対処しながら、デザインシンキングという方法を用いてグローバルなリーダーシップをいかに確保して、世界の繁栄と平和を実現するかについて考えたわけです。今回はポルトガル、オーストリア、ドイツ、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、南アフリカ、それに中国、日本、韓国、台湾という世界の様々の地域から、教員を含めると80名の参加者が集い、議論を尽くした世界会議の様相がありました。非常に有益で貴重な経験を得ることができました。来年2月に開催される明治大学でのIW in Meijiでの再会を約束して閉会しました。
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