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鷹山黒耀石原産地遺跡群について
About Takayama Obsidian Sorce Site Cluster in Nagawa Town, Nagano Prefecture

鷹山黒耀石原産地遺跡群について
長野県小県郡長和町に所在する鷹山遺跡群(写真)は、地元研究者であった児玉司農武氏により1955年に発見され(児玉1961)、数度にわたる考古学的なメスが1960 年代を中心に遺跡に入れられることにより、黒耀石原産地における旧石器時代人類の活動痕跡の広がりが次第に知られるところとなった。

「鷹山発見」以降、50 年の歳月のなかで、1980 年代には、体系的な分布調査により星糞峠と鷹山川湿地部および鷹山川中流域が黒耀石産出地であり、この産出地をとりまく旧石器時代遺跡の分布が明らかになると同時に、関東平野部における遺跡とは規模の上で大きく異なる黒耀石消費遺跡の内容が発掘調査をとおして明らかになるにつれて、「原産地と消費地」という文脈のもとに、鷹山遺跡群の調査と研究は黒耀石の流通拠点の実態解明をめざし、旧石器時代の原産地遺跡研究の分野に視点と方法を提供することになる。

一方、1990 年代には、星糞峠一帯で縄文時代の黒耀石採掘址群が確認され、黒耀石の鉱脈、採掘址の形状と分布、採掘時期、採掘方法、採掘原石の加工方法、搬出品の復元などの目的的な研究が、現在も継続して積み重ねられている(鷹山遺跡群調査団編1999、2000、2001)。加えて、2001年からは、採掘活動の起源を追求する発掘調査によって、縄文時代に先行する旧石器時代の遺跡が、縄文時代人の採掘活動の痕跡に上書きされていたり、あるいは手つかずのまま地中に埋没していたりしていることが判明した。鷹山の黒耀石産出地における旧石器時代人の活動範囲をさらに拡大して理解する必要が生じ、また採掘活動の起源との関わりについても究明が現在進められている(安蒜他2003、島田他2006)。

鷹山川は標高約1,430 m 付近に源を発し、約2km 強下って合流する大門川の支流である(第1図)。鷹山川の流域では、中流域付近で湿地部が形成されていて、ここから左岸に望む星糞峠から崩落により供給されたと考えられる黒耀石原石が湿地堆積物等に包含されている。鷹山川の源流部から湿地部と星糞峠、および大門川との合流点にいたる流路上には、これまでの調査により、旧石器時代人の活動場所が分布していることが判明している(第1図)。



写真 星糞峠から鷹山遺跡群を見渡す


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