商学部の現場

CASE10

本場のパリで学ぶ
ファッション

初めてのアトリエ訪問に目を輝かせる学生たち

パリを色で例えると決してバラ色ではない。すれ違う町の人の服装は黒ばっかり。建物は想像を裏切らない。良くも悪くもマイペースなフランス人。ずっとテーマパークにいるみたい。

そう私たちに話してくれたのは、MOD'ART INTERNATIONALへ留学した学生たちである。
この留学はパリに2週間滞在し、ファッションビジネスを学ぶというプログラムだ。座学だけでなく実際にパリの街を歩き、自分の目線でパリの街の雰囲気やファッションを体感する。

なぜHERMESの洋服は高いのだろう?

この答えはエルメスのアトリエにあった。通常入ることができないアトリエの中を見学できるのは、この留学プログラムの魅力の一つでもある。「使っている素材の希少性、一着の洋服に施される職人芸を初めて間近で見て、圧倒されました。一着にかけるこだわりの強さが価値を高めていることがわかりました」。

チョコも服も同じ!

パティシエのこだわり満載のチョコ

一見ファッションとは関係ないようなチョコレートからも、ファッションを学ぶ。「何でチョコレート工場?と思ったけれど、チョコレートも服と同様に一つひとつ丁寧に職人さんが作り上げているのです!見た目の綺麗さにこだわる点ではどちらも同じなんだ、と初めて気づかされました」。学生たちは食と服を同じ観点から見るという、初めての見方への感動を嬉しそうに語ってくれた。

フランスのデパートは平凡だな!

日本では、たくさんのブランドが集まっていて豪華で華やかなイメージのデパート。しかし、フランスのデパートは、なぜかつまらなく感じてしまう。
「フランスでは、街の通りにある高級ブランド店がまさに主役。食料品店や花屋さんも個性が強く、デパートの存在が薄く感じました。街を歩いていてテーマパークにいるみたいでした」。

パリを例えるなら何色?

パリを色に例えるなら何色だと思いますか? そんな質問を留学した学生たちにぶつけてみたのですが、返ってきた色の名前は「灰色」でした。
「建物は期待を裏切らないクオリティがある一方で、石畳の道、シックな色で統一されている建物の外観、黒い服を身にまとう人々など、派手な色の建物があるわけでもなく、パリは決してバラ色ではありませんでした」。
さて、読者のみなさんはパリにどんな色のイメージを抱いていますか?

自分の目で見て感じて欲しい

"高級ブランドは"なぜ高価なのか? その答えはフランスにあった。
「高級ブランドはお金持ちが着飾るためのものというイメージでした。しかし、この留学で、そのブランドの歴史を学び実際に職人芸を目の前で見て、ただ単に高いだけではない、ということがよく理解できました」。
この留学を通して「価値観が変わった」と言う学生が多く見られた。もちろん、ファッションビジネスの講義は商学部で受けることができる。実際にフランスに行ってみると、自分の目で見て初めてわかることばかり。みなさんも商学部で"ホンモノ"を感じにパリに行ってみませんか?

Editor

マツコ・デラックスはファッションアイコン??

商学部では、留学先でも学内の授業でもファッションビジネスを学ぶことができる。なぜファッションビジネスなのか?この質問に講義を担当する先生は言う。「ファッションじゃなくてもいい。視点を変える、違いがわかるようになる、それが目的。良し悪しは関係なく、違いを作ることが価値を生む。それをいちばん説明しやすいのがファッション。その点、周りを異化するマツコ・デラックスは究極のファッションアイコンですよ」。ファッションとは「違い」を生むこと。人がアクションを起こすと周りと「違い」が生まれる。ファッションを大学で学ぶことは、自らがアクションを生み出す原動力になるのかも知れない。

ファッションビジネスの授業では、ラグジュアリーブランドの歴史を学ぶだけでなく、ファストファッションの戦略を理解し、店舗のマーチャンダイジングや雑誌のブランディングについて考えたりと、一歩ビジネスに踏み込んだ視点でファッションと向き合う。「普段は教科書でしか学ばないマーケティングだが、ファッションを通して学ぶことで具体的なイメージが沸くので楽しい!」。

それまでは感覚的にとらえていたファッションを、「違い」を意識してとらえることで自分の世界が広がっていくだろう。ここで学んだ分析力と感覚は、あらゆる分野の仕事に応用できる。デザイナーをはじめ、さまざまな専門職の人たちを束ねるというファッションで求められるマネジメント能力は、どのビジネスにも共通して必要な資質である。そこに商学部でファッションビジネスを学ぶ意義がありそうだ。

Editor

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